VdT CASTILLA Y LEONの最近のブログ記事

スペイン北西部、リベラ・デル・ドゥエロ、ルエダ、トロ、シガラスなどのDOを覆うように
広大に広がる VdT カスティーリャ・イ・レオン。
主にテンプラニーリョを使用、その土地それぞれの個性を表現するワインが多く造られる
土地で、新たな生産者が現れた。
アランダ・デ・ドゥエロに近いコルーニャ・デル・コンデ村に位置する
「エルミタ・デル・コンデ」だ。

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2006年に実業家マルタ・ゴメンディオ女史によって創業されたワイナリーで、標高900mに
ある石灰質土壌の樹齢100年以上のブドウ畑を発掘し、良質のブドウでワインを造る。
大陸性気候、昼夜の温度差が大きく、風が吹く地域で、複雑さ、繊細さのある、健康的な
ブドウができる。

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古い樹齢のブドウで、酸度も高く、長熟のポテンシャルのあるワインができる。12 ha の
畑で、徹底的な品質管理、収穫は100%手摘みで実施、近代設備でブドウ本来のクオリティを
表現するワインを造る。
テンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、アルビーリョという白ブドウ品種などを栽培。

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名称 : Viña Sulpicia Albillo 2008
品種 : Albillo 100%
産地 : VdT Castilla y León
生産者 : Ermita del Conde

興味深いのが、アルビーリョというブドウ100%の白!
アルマンサ、カナリア諸島、マンチュエラ、リベラ・デル・ドゥエロ、リオハ、トロ、マドリッド
などで栽培されるブドウで、スペイン国外にはほとんど存在しないようだ。リベラ・デル・ドゥエロ
では昔からブレンド用に使用していたものの、モノバリエタルでワインを造ることはなく、この
生産者は、樹齢100年以上のブドウ樹で、収量を2000 kg / ha以下に抑え、良質なブドウから造る
ことで、ふくよかさのある上品な白を造りあげた。
個性的な品種で、パイナップル、グレープフルーツ、ハチミツなどの香り、コクがあって、
アルコールと酸のバランスの取れた上品な白だ。

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名称 : Viña Sulpicia 2008
品種 : Tempranillo 100%
産地 : VdT Castilla y León
生産者 : Ermita del Conde

選果後、除梗、低温浸漬、発酵後、アメリカンオーク新樽でMLF、4ヶ月熟成。
デイリーに心地よく楽しめる赤に仕上がっている。

「スルピシア」という名前は、古代ローマ人がこの地を支配していた時に存在したという
居住地の名前から取ったとのこと。
その時代には既にワイン用ブドウ栽培がされていたという記録があるというから、本当に
長い長い歴史を持つ土地なのだ。

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名称 : Ermita del Conde 2006
品種 : Tempranillo 95%, Merlot 5%
産地 : VdT Castilla y León
生産者 : Ermita del Conde

テンプラニーリョ主体の上級キュヴェ。フレンチオーク樽で熟成14ヶ月。
熟果実、ハーブの香り、樽のまろやかさ、ミネラリーさがストレートに語りかけてくる。
熟したタンニン、とても味わい深い。

この赤、初ビンテージ 2006で既にスペインの最も権威あるワインガイド「ペニンガイド」で
92点を獲得、価格・品質と競争力のあるワインを造り、高い評価を得ている。

まだまだ知らないお宝ワイン、たくさんあるなぁ。。

前回のQuinta Sardoniaに続いて、引き続きVdlT Castilla y Leónの赤。 今日の注目はAbadía Retuerta、Quinta Sardoniaもそうだけど、実はこのワイナリー、DO Ribera del Dueroに含まれておらず、Vino de la Tierra Castilla y Leónに属する。 伝統的に素晴らしい土壌、気候を持ち、長熟の素晴らしい赤を造ってきているRibera del Duero地方、2000年頃から、ビオディナミの認識の高まり、輸出の増加により、ぶどう畑を拡大するワイナリーや、新しいワイナリーが多くでき、新しい動きが生まれてきているのだそうだ。 それによって、DOに指定されていない土地を畑にしたワイナリーも多く、DOに含めてもらうよう申請しても、認可されなかった、ただそれだけなのだそう。原産地呼称制度の規制にこだわらず、自由にワインを造りたい、その思いで敢えてDO認可を望まないワイナリーもいるから、やっぱり飲んでみないとわからない、ワインは。 やはり学ぶはフランスから、またフランス人もワイン造りの新境地を求めてやってくる、気候的にも土壌的にも、ボルドースタイルのワイン産地として適しているということで、フランスから多くの専門家がやってきてワイン造りに加わっている。Quinta Sardoniaのジェロームさんもそうだった。 Abadía Retuertaも例に漏れず、ワイン醸造はシャトー・オーゾンヌの1976年来、品質名声を高めてきた醸造家パスカル・デルベック氏の指導で行われているのだそう。 色 : 赤 名称 : Abadía Retuerta Selección Especial 2005 品種 : Tinto Fino 75%, Cabernet Sauvignon 20%, Merlot 5% 産地 : スペイン VldT Castilla y León 生産者 : Abadía Retuerta http://www.abadia-retuerta.com/  20080126043632.jpg 20080126043638.jpg テンプラニーヨの豊かさ、メルローの丸み、カベルネーの優雅な芳香がブレンドされて、とても上品で深い仕上がりになっている。カシスなどの華やかな香り、タンニンも十分、円く、飲んだ後も長い余韻が楽しめる。素直に素晴らしい!しかもこれが12ユーロほどというから、またびっくり。 このワイン、ロンドンのInternational Wine Challenge 2005で赤ワインの部・スペインワインの部・赤ワインメーカーの部で金賞受賞をしたというから、またまたすごい! 他に同ワイナリーでVino de Pagoに指定されているワインなども試飲したけど、このSelección Especialが一番気に入った。 このワイナリーのポイントを一番上げたのは、対応してくれたお姉さんの存在だった。 終始笑顔で、自分の働くワイナリーを心から愛して、ワインに誇りを持って、その素晴らしさを伝えたい気持ちで溢れていた。どんなことでも人との触れ合いはほんとに大事で。感じの悪い対応をされたら、どんなに美味しいワインも美味しく感じない。そういう主観を入れたらプロではないんだろう。いや、プロじゃないし、しかも敢えてプロじゃない視点でいつもワインを飲みたいなぁ、とも思っちゃったりする。 友達と、お互い病み上がり同士、十分飲んで楽しんで、さっさと帰宅の途についたのでした(笑)。
リベラ・デ・ドゥエロに位置するワイナリー、Quinta Sardoniaは、あのピングスで有名なピーター・シセック(Peter Sissec)が率いるワイナリー。そこの畑と醸造を統括するエノロゴ Jerome Bougnaudさん(フランス人)。 そのジェロームさんのビオディナミ講義に参加した。 5年ほど前からこのワイナリーでビオディナミ農法を採用し、ワインを造っている。ビオディナミはスペインではまだまだ新しい分野、20年以上前から力を入れてきているフランスから、知識や経験を吸収し始めている。 ビオディナミは、オーストリアの人智学者ルドルフ・シュタイナーが、1924年に創出した農法で、化学肥料や化学薬品を一切使用しないという、有機農法と共通しているが、ビオディナミが有機農法と異なっているのは、すべての農作業を播種歴という一種の耕作カレンダーに従って行なったり、調合剤とよばれる特殊な物質を畑に散布したりといった、独特の手法が多数ある点。生命の潜在能力を引き上げて、よりテロワールを表現すること。これがビオディナミなのだそう。 よく聞く特有の調合剤(プレパラシオン)500番は、牛の角に牛糞を詰めるというもの。角は雄牛でなければならないという。雄牛は頭から太陽の力を特に受けるのだそう。そして牛糞もできたてのフレッシュ(?)な糞でないといけないという。その糞を角に詰めて、冬の間6ヶ月程土中に埋めることで、牛糞の活力が、角に入れないで埋めた糞より80倍も強くなるのだという。どうやって解明しているんだろう、こういうこと。面白いねぇ。 ジェロームさん、 「フレッシュな糞は汚いイメージで誰も近寄りたくない臭いを発するけど、6ヶ月寝かせるだけで、土中で完全発酵しているから、まったく汚くないし、臭くない、逆にいい臭いまで感じるポジティブなものに変わる、本当に不思議な自然の力なんだ」 って印象的に語ってくれた。 その糞を雨水で希釈して、十分に攪拌し、それを畑に散布すると、ブドウの根が強化され、下層土中深く伸びていく効果があるのだそうだ。 それは単なるひとつの例として、月の満ち欠けに合わせて適切な時期を定めた耕作カレンダーに従って耕作を進めたり、様々な方法が含まれている。 例えば、下弦の月の期間は、種まきなど土壌を活性化するのにいい時期。下弦の月の期間に樽熟をすると、出来上がるワインに樽の特徴が反映され易い。ふーーん。面白いなぁ。不思議だなぁ。宇宙の力なんだぁ。 とにかく、自然と共存してワイン造りをしていこうという姿勢には感銘を受けた。 「ベースとなる方法はあるけど、それに100%従ってやるのではなく、結局は、その土地、気候、条件など全てと日々向かい合うことで、その場所だけに最適な栽培方法を見つけだすのが重要なんだ」 印象的だった。 で、何種類かのビオディナミを頂いたあと、ジェロームさんの造る赤が登場 20080125053112.jpg 色 : 赤 名称 : Quinta Sardonia 2005 品種 : Tinto Fino, Cabernet Sauvignon, Merlot, Syrah, Petit Verdot, Malbec, Cabernet Franc 産地 : スペイン VldT Castilla y León 生産者 : Bodegas Quinta Sardonia 100%新樽を使って20ヶ月熟成。半数はTinto Finoでも、ものすごい種類の品種をブレンドしているけど、主体はボルドースタイル。しっかりとしたコクと果実味、糖分、酸み、それぞれ存在感があり、バランス良く仕上がっていて、心地よい重厚感。それでいてエレガントさも欠いていない。樹齢10年以下という若い木でこれだけどっしりとした深みのある赤ができるのには驚き。アルコール度15,5%というびっくりの高さも、口中ではそれほど気にならず。すごく美味しい。 毎年毎年、畑と対話し、醸造方法を反省、検討しながら、少しずつ良いワインに仕上がってきた。 評価するのは簡単なこと。本当に美味しいワインを造ることの大変さを垣間見た気がした。 ビオディナミ、現代科学では説明できない、宇宙のエネルギーが成しえること、それを掘り下げて分かり始めたら、あまりに神秘的で、魅惑的ではまっちゃいそうな世界だなって思う。 ジェロームさんの達観したような、遠くを見つめる目が、そんな風に思わせた。 ピーター・シセックの名前ばかりが先に出るけど、本当にワインを造っている人のお話を聞けて、そして、素晴らしいビオディナミたちをいただけて、ものすごく貴重な体験となった。