
何年も前に旦那が家でよくかけてた曲。
リュイス・リャックの「Viatge a Itaca」
ギリシャ神話のオディッセウスの故国とされるイタカ島への旅を人生の旅と重ね合わせた歌。
全てのカタルーニャ人に愛されるシンガーソングライター。

プリオラートのポレラ村にあるワイナリー、バィ・
リャックはこのリュイス・リャックがオーナーの
1人であることで良く知られているけど、ワイン
造りを金儲けの手段と考え投資参入してきた著名
人とは全く別物だ。
リュイス・リャックはカタルーニャ北部の出身だ
が、お母さんの故郷がポレラ村。幼い頃から親し
んだこの村で、ワインを愛する彼はお母さんが所
有していた畑と共に幼い頃の親友とワイナリーを
創業。創業した90年代当初はまだプリオラートが
注目され、高く評価され始める前でポレラ村は貧
しく、お母さんの故郷であるポレラの村人たちの
生活を良くしたいという想いが強く、所有・契約
する畑は全てポレラの区画内、そして村人が歩い
て仕事に来れるようにと、村の中に橋を挟んだ2
か所に醸造所と熟成セラーを作った。

醸造家はサルス・アルバレス(← 写真左)と、共同
オーナーであるエンリック・コスタの息子アルベル
ト・コスタの2人。サルスさんは長年醸造・栽培の
経験を持ち、去年までDOQプリオラートのプレジデ
ントを務めワイン醸造に関しても、プリオラートの
ワイン、産地、歴史など他の誰よりも知っている歩
く百科事典だ、笑。
彼もポレラ出身でこの村の土地、そしてプリオラー
トの土地、本当に詳しいのだ!
サルスさんが語ってくれる。
現在のプリオラートの栽培面積は
約1600 ha。プリオラート全体は
19,000haあり、昔は 14,000 ha
がブドウ畑だったそうだ!
山の斜面という斜面に、ずっと
ブドウが植わっていたそうだ。
80年代のいわゆる4人組による改
革以前もプリオラートではワイン
造りが盛んだった。
最初のきっかけは12世紀。
12 世紀 シャルトリューズ(カルト
ジオ)派の修道院がローヌから
やってきて修道院(エスカラ・
デイ)を建て、ブドウを持ち込
み、ワインを造りを始めた。
14~ 17 世紀 修道士たちは南仏で盛ん
だった養蚕(ようさん)業もプ
リオラートに持ち込み、桑の木
をたくさん植えて発達した。
もちろん、スペインはまだまだ貧しい国で、需要はなくフランスの貴族の衣服など
用に生産され、フランスに輸出された。
17世紀 養蚕業よりワイン造りに重点が置かれるようになり、ブドウ畑が増える。
18世紀 修道士たちはブドウの品質によって
低品質 - 蒸留酒
中品質 - ヴェルムット、ミステラなどのハーブなどと醸すお酒
高品質
- ワイン
用にそれぞれ使ったため、この時代から既に高品質のブドウのみで高品質
ワインを造る精神が修道士たちによって、守られていた。
バチカン市国での宗教行事の際に使うワイン(キリストの血として)は、色調が
濃く、濃厚で、パワフルで、少し甘みがあって、夏の高温でも劣化しにくいワイ
ンが求められており、プリオラートのワインはその条件をクリアし、大量の
ワインがローマに送られていた。
1893年 フィロキセラ禍がプリオラートを襲い、壊滅状態に。アメリカの台木で接ぎ木し
植え替えられ、それ以降大事に栽培された畑も多いため、プリオラートでは
100 年以上の樹齢の畑が多く残る。
そうしたワイン造り、ブドウ栽培の素地があるプリオラート。
今ではより品質、多様性を求めるワイン造りが行われるようになり、そしていわゆる村
AOCなるカテゴリーも認定され、各エリアでの土壌、気候、ワインのスタイルなどが
更に研究されるようになっている。
ポレラ村はプリオラートでも最も山
がちで標高も高く冷涼な地区の一つ
だ。そうした環境で良く育つカリ
ニェナが多く植わる。
バィ・リャックの畑では農薬は最低
限のリュット・レゾネ。冷涼だけど
夏はとても暑く、ブドウは自分を守
ろうと果皮を厚く、堅くし、またリ
コレリャの石の反射によって更に暑
さがあり、さらに厚く堅くなる。
そして夜になると、ポレラ地区特有
の地中海からの冷えた風が吹きおろし、冷やしてくれブドウがゆっくり成熟する。

だからこそ、果皮まで全てがきちん
と成熟してから収穫をしたいという
バィ・リャックの考えで、収穫期は
10月に入って、遅い時は11月初旬
まで、ポレラ地区でも遅い。
オーナーのエンリック・コスタと
リュイス・リャックが毎日ブドウを
食べて状態をチェックして、収穫の
タイミングを決める。
とにかくブドウを大事に、品質重視でこだわりの造りがコンセプトで、98年の初ビン
テージから現行ビンテージ(2008)まで世界的に高い評価を得続ける定評ある造り手。
トップキュヴェのバィ・リャック用
のブドウが育つ畑。ものすごい急斜
面に平均樹齢 75 年のカリニェナが
育つ。プリオラートの代表的なリコ
レリャ(粘板岩)土壌といっても少
し粘土質が混ざっていたりリコレ
リャが細かくなっていたり、少しず
つ異なる異なるのだけど、ここの畑
はどこまで行ってもリコレリャだけ
という鉄分を非常に多く含む土壌。
醸造所内には所狭しと小・中容量のタンクがある。
品種、区画ごとに分けると100 種類にもなり(!)
それを別々に発酵し、熟成の際に 40 種類くらい
までにまとめる。
そこから 3 アイテムのワインにしていく。
それぞれのワインの熟成状態は異なるため、ク
パージュは熟成が完了してからする。
アルベルト・コスタ氏
バィ・リャックの将来を担う若き醸
造家。小容量の容器は手でピジャー
ジュをすることも。
発酵にはブドウ本来の野生酵母のみ。
また、発酵前後のマセレーションは
種子を抜いて果皮だけでやるのだ
そう。一つでも種がつぶれることで
出る不快な味わいを出さないため。
こだわりだ。
名称 : Embruix 2008
品種 : Garnacha 30%, Cariñena 25%,
Cabernet Sauvignon 20%, Syrah 15%, Merlot
10%
産地 : DOC Priorat
生産者 : Celler Vall Llach
Embruix はカタラン語で魔力、魅惑の意。
「月の魔力」という感じで使われる。
また、バィ・リャックでは、発酵済みワインを
樽に移す際も、瓶詰めの際もなど重要な作業は
必ず満月の日にやる。
満月の夜に長いホースを使ってワインを橋を隔てた醸造所から熟成セラーに移すのだそうだ。
神秘的だ。。
若い樹齢(~20年)の自社畑ブドウを使用。フレンチオーク樽(300、225ℓ、2~3 年目
もののみ)で熟成。果実、花、スパイシーさ、樽がキレイに溶け込んでいる。

名称 : Vall Llach 2008
品種 : Cariñena 65%, Cabernet Sauvignon 18%, Merlot 17%
産地 : DOC Priorat
生産者 : Celler Vall Llach
古い樹齢(110年を超えるものも)の自社畑ブドウを使用、100%新樽。
3日間マセレーションの後、オーク樽(225、500 ℓ)とステンレスタン
ク(1000, 2500ℓ)で発酵、12日間寝かせ、優しくプレス。
MLF ステンレスとオーク樽で半々実施。フレンチオーク新樽(225、
300 ℓ、ライト・ミディアムトースト)で14か月熟成。
全てに共通するアルコール度の高さなのに、後味のサラサラ感。軽やかさ、冷たさ。
そして何より心地よい味わいで、何杯も飲みたくなる感じ。これだけのフルボディなのに、
酸がしっかりしていて、繊細さ、エレガンスが同居し、素晴らしいポテンシャルを感じる。
とにかく心地いいのだ、飲んでいて。
毎年10月にニューヨークで
Wine Spectator が主催する世界中から選りすぐりのワイナリー
25 社を招待するワイン会 「Wine
Experience」が開催されており、セイェル・バィ・リャッ
クは一昨年、昨年と 2 年連続招待されているという。
今では歌をやめ、愛するワインと、セネガルで復興支援のために設立した財団で活動をする
リュイス・リャック氏。まだお会いしたことはないけど、テレビや写真で見る彼の優しい目、
とても落ち着いた所作はすごく印象的で。スペインのフランコ独裁時代、カタルーニャの
反抗のシンボルとなった代表曲「レスタカ」を作るなどカタルーニャ人としての誇り、
うちに秘める熱い想いがあり、その優しい静かな佇まいとうちなる熱い気持ちのコントラ
ストがバィ・リャックのワインのスタイルにも通じているようで。
生まれ故郷に対する想い、ワインへの想い。
プリオラートから帰り、バルセロ
ナで試飲で余り持たせてくれた
バィ・リャック 2000
と美味しいタパスに舌鼓。
そうだ、今夜は
リュイス・リャックの曲を聴こう。
プリオラートのちょうどおへその部分にあるトロジャ村でワイン造りをするトリオ・インフェル

村カテゴリーは「
ゴブレで、古い樹齢、一本一本手作業で。
名称
アルバロ・パラシオスのレルミタ

DOC 

最後は招待海外ワイナリー、タルデュー・ローラン。


































