DO SOMONTANOの最近のブログ記事

スペイン北部、ピレネー山脈の中部に位置する産地、ソモンターノ。

ソモンターノは、悪い状態のブドウを造るほうが難しいといわれるくらい気候、環境に
恵まれている。ピレネー山脈からの冷風が朝吹きつけ、ブドウ樹に冷気を与えてくれ、
午後2〜3時には気温が上がり、温まった風が、またピレネー山脈に戻っていく。
完璧な自然な換気がある。
湿度による病害、腐食などの問題はなく、きちんと剪定して、収量を制限すれば、
素晴らしい状態のブドウができることが約束されている土地。

世界では、シャルドネがどこもかしこでも栽培され「ABC(Anything but Chardonnay)」と揶
揄されることが多い。翻ってスペインでは、以前、リオハやラ・マンチャのテンプラニーリョ
などのワインばかりで、スペインのワインに飽き飽きしているという逆の問題があった。
そこで外来品種にいち早く目をつけたのがソモンターノだった。
ソモンターノは外来品種のスペインのメッカとして、大変な流行になり、一気にスターダムに
のしあがった!
外来品種ながら、良いブドウになる環境が整っていたソモンターノ、高品質で競争力のある
価格でワインを造り、90年台には、リオハ、リベラ・デル・ドゥエロ、プリオラートに並んで、
スペインでも最も知られる産地になっていた。

ソモンターノというと、エナーテ、ビニャス・デル・ベロなどが思い浮かび、どれも安定した
品質でエレガンスがあって、印象が良く、以前ブログでも綴った。
そしてまたソモンターノの魅力を改めて感じるワイナリーと出会った。

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ボデガス・ラウス

建設業で成功を収めたルイス・ソサヤ氏が2002年に創業。
ナバラ出身のルイス氏はワイナリーをつくるのが夢だった。
生産量100万本のうち75%は国内、25%は輸出。
そして、総生産量のうち250,000本は地元アラゴン州で販売。

このワイナリーのどこがすごいのか?!

自社畑のポテンシャルにある。

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ルイス氏が一目惚れし、ポテンシャルを見抜き即購入したというバチマニャ畑。

ソモンターノは標高からいってそこまで高くない。
エナーテ、ビニャス・デル・ベロなどの大部分の畑が380〜420mなのに対し、このバチマニャ畑は
700mほど。ソモンターノで再も標高が高いのだそうだ。

もともとオリーブ畑だったところを、30000トンもの土を掘り返し整備し(さすが建設業に
携るオーナー!)、1998年から植樹したまだ若い畑。100haの畑。
酸がしっかりして良質のブドウができ、素晴らしいポテンシャルのワインができるということで
力を入れている。

バチマニャ畑から遠くに望む雪をかぶったピレネー山脈が
バルバストロから標高600mのアルケサルに向かう途中にある畑、バチマニャ。
そこから、雪をかぶったピレネー山脈が見える。キレイだぁ〜。
雲っていたのだけど、少し晴れて、山肌を見せてくれた!

ワイナリーのある標高360mから、この畑に来ると、気温の変化をはっきりと感じる。
ワイナリーの近くには、既にアーモンドの花が満開だったけど、バチマニャのアーモンド
はまだ五部咲きほど。
8月は昼は暑く、33℃、でも夜は16、17℃まで下がり、ブドウの香りが育まれていく。
ゲブルツトラミネール、テンプラニーリョ、シャルドネ、ガルナッチャ、モリステル、などを栽培。

現在、このバチマニャ畑のブドウが使われているのは、トップ・キュヴェの「ラウス アルト 700」
シリーズが主で、その他のスタンダードキュヴェは、他の自社畑のブドウを使っているのだけど、
どの白・赤も、素晴らしいバランスと、品の良さ、爽やかさがあって、様々な料理に合わせやすく、
心地よく飲めるワインに仕上がっている。

ピレネー山脈源泉のベロ河
バチマニャの麓にはピレネー山脈で産まれるベロ河が豊かな水をたたえる。

ラウスでは、収穫は全て機械。スペインのように温暖な土地では、暑い昼間に手摘みで
収穫するより、早朝に一気に収穫して、まだ涼しいうちに醸造所に搬入したほうが、
ブドウの酸化・劣化を防ぐことができ、機械収穫のプラスの面のほうが大きいと判断。


清潔な発酵セラー
醸造所は、大変清潔。

醸造所を囲う水溜りとひさし
そして、建物の周囲に浅いプールを造って、ひさしを造って影をつくり、その水と影と、
ピレネー山脈から吹いてくる風とで、醸造所内が、10℃は下がるなど、省エネ、環境を
考えた設計がされているのには感動!

ダブル発酵タンク
今まで醸造所で見たことがなくて興味深かったのが、発酵の「ダブル発酵タンク。」
中が上槽と下槽に分かれていて、上槽の底部は斜めになっている。
上槽で果帽とともに発酵、底部は斜めになっているので、果帽が一箇所に集まり、果汁を
チューブで下槽に移してから、中部の扉を開けて果帽を取り出す。
全て重力フローのシステムで醸造を行うよう、工夫がされている。

スザンナ(左、営業事務),お客さん,スタンリー(右、営業マネージャー)
左は営業事務のスザンナ、右は営業マネージャーのスタンリー。
真ん中は、、、、ワインを買いに来ていた地元のお客さん(笑)。

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エチケットもセンスが良くて、すごく好き。

一部のワインを紹介。

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名称 : Laus Flor de Gewurztraminer 2008
品種 : Gewurztraminer 100%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Laus

バチマニャ畑のゲブルツも一部使用。
豊かなフローラル、ライチ、ミネラリー、残糖も少なくドライ感がとても良い。
アジア料理にいいなぁと思う。
   
名称 : Laus 700 Alt Blanco 2006
品種 : Chardonnay 65%, Gewurztraminer 35%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Laus

白トップ・キュヴェ。
発酵はステンレスタンク、発酵の終了時に少し樽に入れる。その後、5ヶ月樽
(アメリカ・フレンチミックス樽)で熟成。
トロピカルフルーツ、パイナップル、でも爽やか、時間が経ったら、ゲブルツのライチ、
瑞々しさが、、様々な顔を見せてくれる白だ。

名称 : Laus 700 Alt Tinto 2004
品種 : Syrah 40%, Cabernet Sauvignon 35%, Merlot 25%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Laus

フレンチオーク樽 16ヶ月熟成。タンニンが丸く、とてもエレガント。
バチマニャ畑のブドウを100%使用。

今年半ばにリリース予定の「Gloria 2004」というカベルネ100%の赤
サラス・アルタスという畑で樹齢35年、最良のカベルネを使い、フレンチオーク24ヶ月。
収斂性があって、すごいポテンシャル。ミネラリーです。

スタンダード、トップ共に、白、ロゼ、赤みんな洗練されていると思う。

100haあるバチマニャ畑、2003年に植えたものもあり、そうした若木のブドウはまだ
ワイン造りには使っていないが、将来的には、このバチマニャ畑のブドウを使って全ての
ワインを造ることが目標だとのこと。
様々な可能性を秘めた、これからも本当に楽しみなワイナリーだ!

Mis queridos amigos, muchísimas gracias por la gran comida!!
Exquisita comida, junto con la noticia muy muy feliz,
mi entusiasmo subió a su punto máximo!!
Os queremos mucho! Cuidaros!!
Yuko

友達にランチにお呼ばれの日曜日。
バヤドリッド出身の彼女は、この時期になるとバヤドリッドから食材を持ち帰って
腕を振るってくれる。
料理上手な彼女、今日も美味しい料理を堪能させてくれた。

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エビの鉄板焼き、タコのカルパッチョ、手前はあさりときのこの煮込み
ちょー豪華な一品目、ほんとに美味しかったぁ。

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友達特製サラダ。山羊のチーズ、洋ナシ、クルミなんかが入って、美味。

そして、メインに出てきたのが、、、、

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どーーーーーーーーんっ!
コチニーヨ(仔豚の丸焼き)!
といっても、一匹丸ごとではなく、腹から開いて平たくしたもの。

コチニーヨ、セゴビアが名物だけど、セゴビアから100kmほど北上したバヤドリッドでも
良く食される、カスティーヤ・イ・レオン地方の郷土料理だ。

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あどけない赤ちゃんの顔が残る。。。ごめんなさい。。

生後15〜20日間、母豚の乳だけを飲んで、3〜4kgに育った仔豚を使って料理。
仔豚に少し塩をふりかけ、プレートに少し水を張って、オーブンで焼き始める。
少し焼けてきたら、白ワインと水を少し足す。
また少し焼けてきたら、裏返しにして、更に白ワインと水を少し足す。
それを繰り返して、最後に仔豚の表部を上にして、皮をカリカリに焼き上げる。
オーブンプレートにお肉がくっつかないようにすることが大事で、足していく白ワインと
水が蒸発してきたら、プレートについた肉汁などを剥がして旨みを出すことがポイント
なのだそう。

参った。この美味しさは。。。
こんなにクセのない味は初めて。
表面カリカリ、中は信じられないくらい柔らかいお肉、
もともと、仔豚、羊肉などクセのあるお肉は苦手なのだけど、
これは全くもって大丈夫だった。

こんな美味しい料理、お酒も進みます!

今日のヒットは、リベラ・デル・ドゥエロではなく、ソモンターノ。

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(写真撮り忘れ。。)

名称 : Bestué Santa Sabina 2005
品種 : Cabernet Sauvignon 80%, Tempranillo 20%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodega Otto Bestué, S.L.

ソモンターノを訪れた時、バルバストロの酒屋で購入した一本。酒屋のおじさんが、
このワインは素晴らしいクオリティでもう市場にほとんど残っていない希少性の高い赤
だと薦めてくれた。
17世紀からワイン用ブドウ栽培が行われてきた土地を購入し、1999年創業、収量の
低い、丁寧なワイン造りをする家族経営のワイナリー。
フレンチ・アメリカオークで13ヶ月樽熟。
樽熟の炒った味わいと、果実の味わいが素晴らしいバランス、口の中でふくよか、
味わい豊かで、素晴らしいストラクチャー。熟したタンニン。
このレベルの高さで10ユーロ、ソモンターノの底力をまたまた見せつけてくれた一本だ。
このビンテージ、パーカーも91点をつけたという。どうりで市場に残っていないわけだ。

2本目は、コチニーヨと同じ土地の赤を。

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名称 : Senda de los Olivos Vendimia Seleccionada 2006
品種 : Tinto Fino 100%
産地 : DO Ribera del Duero
生産者 : Bodegas y Viñedos Iñaki Núñez

友達がバヤドリッドから持ってきてくれた赤で、2002年創業の比較的新しいワイナリー
だという。ものすごく熟した果実の味わい、重厚感ばっちり、パンチのある深い赤。
素晴らしいワインだけど、フルーティすぎて食事後にチーズなどと飲みたい赤だって
みんなで一致した。

あとで調べてみたら、このワイナリー、すごい!
エノロゴはシャトー・オー・ブリオンでエノロゴをしていたJean Marc Sauboua氏が率いる。
2002年創業、Guia Peñínで2005年ビンテージ90点獲得。DecanterやInt’l Wine
Challengeなど様々なコンクールでメダルを受賞。
1haあたり4000〜4500kgの低い収量で最高のブドウのみで全てビノ・デ・パゴ(vino
de pago : 単一ブドウ畑限定高級ワイン)を造る。
カベルネ・ソーヴィニョン、シラー、ティント・フィノ、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、
甘口用にモスカテル・グラノ・フィノなどと様々な品種を栽培。

お料理とお酒がぐんぐん進んでしまう、とはこのこと。
素晴らしいお料理、お酒に加えて、友達からの突然のおめでた話に、幸せ度は最高潮!
あぁ、嬉しかった。
至福の時間を、本当にありがとう!

10月20日

エノツーリズム(ワインツーリズム)の魅力は、ワイナリー見学だけでもいいけど、やっぱり
素晴らしい食や自然、歴史の足跡があってこそ、その魅力は倍増する。
いくらワインが好きでワイナリーいくつ訪れてもいい、という人でも、やっぱりそれだけでは
ちょっと物足りないと思うのだ。
ワインを知るには、ワインの元であるブドウがどんな環境で育つのか、どんな自然が周りに
あるのか、どんな人々が住んでいるのか、どんな文化が息づいているのか、そういうのを
肌で感じること、それが実はすごく貴重で、ワインを知る本質だったりする。

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アラゴンの古都アルケサル(Alquezar)は、バルバストロを訪れたら、必ず足を延ばしたい所。
バルバストロからベロ(Vero)河沿いに20kmほど北上すると、ベロ河の峡谷が深まっていき、
切り立った崖が現れ始め、その崖のひとつにアルケサルは佇んでいる。
その昔、ムーア人が作ったこの村、村名はアラブ語の要塞という意味の「Al-Qsar」に由来
しているという。アルケサルは、その中世の町並み、ロマネスクの素晴らしい文化遺産など、
文化的魅力に加え、峡谷トレッキングやラフティングなど、素晴らしい自然の中でアウトドア
も楽しむことができる。

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中世の趣をそこここに残すアルケサル。建物と建物の間が回廊でつながっているのが見え
る。中世の時代には、よく造られていたそうで、アルケサルでは、村のはじからはじまで、
道に下りずに渡ることができた、といわれている。

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夜空に浮かぶアルケサル。

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アルケサルからの峡谷トレッキングにて。洞窟。

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自然は、泣きたくなるほど美しい。

こういう素晴らしい自然の中でのぴったりな宿といえば、casa rural(カサ・ルラル)。
古い一軒家を宿泊施設に改造したもので、自然の中や風光明媚な村などによくあるタイプの
宿。今回、偶然見つけた、アルケサルに近いブエラ(Buera)という小さな村にある宿、

La Posada de Lalola
Calle de la Fuente 14, Buera 22146 (Huesca)
Tel : (+34) 974 318 437

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手入れの行き届いた、すごく暖かい雰囲気の室内。
奥様の心遣いがあちらこちらに感じられるインテリア。

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暖炉があって寒空の中を帰ってきて冷たくなったからだを暖めてくれ、木がパチパチ燃える
音が聞こえ、ゆったりとした時間が流れているリビング。

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こじんまりとした庭。鳥のさえずり以外は何も聞こえない、朝の輝く太陽の下、凛とした空気
の中とった朝食は、これ以上の贅沢はないといえるほどだった。

宿の主人、ミゲル・アンヘルさんとマルさんの夫婦が営む。
旦那が教えてくれた、ミゲル・アンヘルさんは、バルセロナ出身で、もとサッカーのエスパ
ニョールチームのバリバリの一軍選手だったのだそうだ。
体を壊して、遠戚がこの地方にいるとかで、こちらに移り住んできたのだそうだ。
ミゲル・アンヘルさんもマルさんも、とても気さくな人柄で、細やかな心遣いが随所に感じら
れて大好きになった。

そしてまた素晴らしいのがレストラン。
最終日にお昼をいただいた。
メニューは決まっていて、選ぶことはできない。何種類か用意していて、お客さんを見て、
勘でメニューを選ぶのだそうだ。すごい!

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こじんまりとした空間で、くつろぎの時間。壁には、有名人であるミゲル・アンヘルさんが
様々な有名人と共に撮った思い出の写真たちが所狭しと飾られている。

お料理は、新鮮で良い食材を使っていて、シンプルな一品一品がすごく美味しかった!
バルバストロ特産で秋が旬のトマトで作ったトマトピューレ、信じられないほどの甘みとまろや
かさに驚いた!

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メインのRabo de ternera(オックステールシチュー)は、今まで食べたどの
ラボ・デ・テルネラよりも美味しかった。

そしてここでも、ソモンターノの固有品種のワインをミゲル・アンヘルさんにお薦めしてもらう。

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名称 :  Pirineos Moristel 2005
品種 : Moristel 100%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodega Pirineos, S.A.

ソモンターノとカリニェナのみで認定されている品種。
熟果実で爽やかな酸で心地よい味わい。店頭価格は4,50ユーロという安さ。コスパに驚いた!
ボデガ・ピリネオス、もともと好印象のワイナリーなだけに、固有品種をも使って素晴らしい
ワインを造っているのを知って嬉しかった。
ミゲル・アンヘルさんもマルさんも、一つ一つのテーブルに常に注意を払っていて、サービスも
素晴らしかった。
また来るなら、必ず訪れるだろう、この宿には。

昼は22度ほど、夜は5度ほど、初日の夜は月のない真っ暗な夜だった。
ここはもう冬が近づいている。ほとんど明かりのない村で、空を見上げれば満点の星が輝く、
ミルキーウェイまで見える。こんなに星ってあるんだって改めて気づく。自然に抱かれて、
活き活きと、そしてゆったりと生活している人達との出会い。
鳥のさえずり、ベロ河の水の流れるかすかな音、ゆったりした生活の音、リズムが存在する。
いつもの生活からひと時離れて全く違う空間に身を置く。満たされるエネルギー。

だからスペインは好きだ。

10月26日

他地域同様、ソモンターノでも、1984年DOに認定される以前からずっとワインは造られていた。
特にスペイン品種のテンプラニーヨ種やガルナッチャ種で、自家用のためにワインを造っていた
という。それが今の、外来品種をも含めたエレガントでクオリティ高いワインを生産する産地に
まで押し上げた貢献者のひとりにフランスのLalanne(ラランヌ)家がいた。

1842年にボルドーでワイナリーを設立したLalanne(ラランヌ)家。19世紀末にフランスをフィロキ
セラが襲った際に、ソモンターノに移り住み、1894年にワイナリーを設立。アメリカ台木と接木を
して、カベルネ、メルローなどのフランスの品種をソモンターノで初めて植樹。
こうして、ソモンターノに外来品種がやって来たのだ。
以来、ラランヌ家は、創業時と同じ醸造法を大事に、クオリティ高いボルドースタイルのワインを
100年余り造り続けている。

現在のオーナーの娘さん 若い3姉妹、レオノール(Leonor)、ラウラ(Laura)、ルクエシア
( Lucrecia)の一人、レオノールさんが、ワイナリーを案内してくれた。

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100%自社畑。35ha。収量は4500kg/haという低さ。60%は輸出用だそうだ。

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コンクリート発酵槽(内側はガラス加工)

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フレンチオークだけでなく、爽やかさも出すためにアメリカオーク樽も一部使っている。

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熟成室。創業当時から使ってきた醸造具が展示されている。
自社で今まで使ってきたものだけに、普通の博物館よりも意味が深いんだって、レオノールさん。

このワイナリーには、披露宴などのパーティを催すことができるステキなスペースもあって、
訪れた日はちょうど披露宴のある日で、本当はワイナリー見学はできないところを無理して
やってくださった!レオノールの弾丸トークはすごかったけど(笑)。

一番印象に残ったのは、クリアンサだった。

名称 : Lalanne Classic 2005
品種 : Cabernet Sauvignon 60%, Merlot 40%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Lalanne

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左から、Lalanne Classic 2005, Lalanne Reserva 2000, Merlot 2000

爽やかな飲み口、すごくバランスが取れている。ものすごい豊かな味わい。
本当にボルドーワインのような繊細さ、パワフルさがあって。
家で再度飲んだ時も、本当に美味しいと感じた。
7,10ユーロ。ワイナリー価格なので、店頭価格より少し安いと思うけど、この味わい、クオリティ
でこの値段。。。同じレベルをボルドーで飲むとなると、少なくとも2倍はするのではないかと思う。
ソモンターノのワインは、スペインの多くの地域と比べてもコストパフォーマンスの高いワインが
多い。

娘さん3人の名前がワイン名に付けられている。
レオノールはメルロー クリアンサに、ラウラは白・ロゼの微発泡に、ルクレシアはカバに。
すごいモチベーションになるなぁ。自分の名前がワインに付けられるなんて。

今回ソモンターノを訪れて初めてわかった。
Bodegas Lalanneや、また、同時期に設立されたBodegas Fabregas(ボデガス・ファブレガス)等、
19世紀末からこの土地で外来品種を使ってワイン造りを続けてきた人達のおかげで、DOに認
定された時には、既に外来品種はこの土地に適合しており、今のEnate, Viñas del Veroの
ようなモダン・ワイナリーが外来品種を使って素晴らしいワインを造ることができるのだ。
ソモンターノには、こうした小規模で伝統的な醸造法を守るワイナリーが造るワインと、エナーテ
のような新しく近代技術を導入したモダンなワイナリーが造るワインの2種類が存在する。
ソモンターノが世界的に注目されるようになったのは、近年の新しいワイナリーの台頭による
ところが大きいけど、その背景には、小規模で昔からこの土地でワイン造りを貫いてきたワイ
ナリーの存在があったことが不可欠で、その二者間で切磋琢磨しているのが今のソモンター
ノなんだ。

ボルドーのワイン造りの伝統をそのまま継承し、ボルドースタイルのワインを造り続ける。
そんなフランスの血筋がここ、ソモンターノでも息づき、どんどん成長している。
伝統的なソモンターノのワイナリーというと、宿の人も、レストランの人も、みんなここを紹介し
てくれた。

114年という歴史の重みを感じるワイナリーだった。

エナーテを訪れた後に、薦められて行ったレストラン。

Casa Samper     
C/ Doña Sancha, 3
Salas Altas (Huesca)
Tel 974 302 102 

驚いた、人口330人ほどの、エナーテの隣村Salas Altas、こんな小さな小さな村に、こんな
ステキなレストランがあるなんて。
さすが、ワインの土地。ワイナリーの人も多く訪れるというこのレストラン、美味しいワインが
ある所、美味しい食あり。

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昔、オリーブオイルやビネガーを貯蔵するための地下に埋まった甕

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昔ながらのプレス、
など、原型を残しながらも、モダンなデザインを取り入れ、調和した店内。

オーナーのカルメンさんとご主人の大変温かいもてなし。
お料理も、伝統料理とモダンな創作料理とを組み合わせた丁寧な一品一品。

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雉肉のサラダ。オレンジピールの味わいを聞かせたドレッシングで美味しかったぁ。

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それぞれにチーズや鶏肉や様々な具を入れて、軽く揚げた一品。
手前はすみれジャム。バルバストロ市の特産品なのだそうだ。
焙ったフォアグラに少しつけて食べると絶妙なのだとか。

良い食材を使って、それぞれの味を大事にした料理法。
今と昔の両方を大切にしたコンセプトが随所に見られて、とても心地いい。

そして、この土地の固有品種を使った良いワインをお願いした。
ソモンターノには、テンプラニーヨ、ガルナッチャ以外に、Parraleta(黒), Moristel(黒),
Alcañón(白)という固有品種がある。DO認定で外来品種の使用が認められ、その
クオリティの高さに、多くの畑の固有品種が引き抜かれ、外来品種に取って替わられ
たという。

Bodegas Alodia。Sergio Labataというエノロゴが、家族のワイン造りから独立し、
Adahuesca(アダウエスカ)に創業したワイナリー。モリステル、ガルナッチャ、カベルネ・
ソーヴィニョン、シラー、シャルドネの他に、絶滅の危機に瀕するパラレータ、アルカニョ
ン種の復活にも力を入れる。

そのパラレータ種とシラーをブレンドした赤。

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名称 : Alodia Tinto Seducción 2005
品種 : Parraleta 25%, Syrah 75%
産地 : D.O. Somontano
生産者 : Bodegas Alodia 

パラレータ種はソモンターノ固有品種ではあるが、Graciano、Tintilla de Rota種と同種と
言われる。2005年が初ビンテージだそうだ。24℃で発酵、25日醸し、アメリカオーク樽で
5ヶ月熟成、瓶熟成6ヶ月。約7000本。熟れた果実、バニラ、心地よいタンニン、味わい深い。
店頭価格は11,40ユーロ。これだけ貴重なワインで、この価格はすごくいいと思う。
このワイナリー、注目だ。

外来品種がメインに成長してきたここ、ソモンターノでも、固有品種回帰はあるという。
レストランのオーナーのはっとするコメント。
「ちょっと前までは外来品種の導入にやっきになって、固有品種など見向きもしなかったのに。
今は、固有品種に目を向ける人が増えてきて、固有品種のワインを新たに造るワイナリーが
増えてきている。でも造ろうと思っても、外来品種の栽培に取って代わられた畑も多く、固有
品種の畑がとても少ない。人間なんておかしなものだね。」
ほんとにそうだ。人間は気まぐれな動物だ(笑)。

Salas Altasには小高い丘があって、そこに登るとソモンターノが一望できる、とみなさんの
お薦めで行ってみた。
景色も素晴らしかったけど、それ以上に、ちょうど居合わせたErmita de la Candelera(カンデ
レラ礼拝堂)の方たちが自家用ワイン造りに勤しんでいる所に遭遇!

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収穫後、除梗・破砕作業をする、ホセさんとヘススさん。

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パラレータ種だそうだ。

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破砕しただけの、まだドロドロした果汁。

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私もお手伝い。(というか、邪魔してた(笑))

ヘススさん、破砕した果汁を飲んでみて、
「酸化したブドウが少し紛れ込んでたみたいだな。少し変な味がする。。。」
クオリティうんぬんよりも、自分で飲むワインは自分で造る、この習慣を目の当たりにできた
ことがすごく嬉しくて。ソモンターノはDOとしてはまだ歴史が浅くても、こういう風に自家用の
ワインはどこの家でも造り続けてきた伝統があって、そういう基盤となってる部分を垣間見れ
た気がした。ありがとう!

ソモンターノの外では、やはりEnateやViñas del Vero, Bodegas Pirineos, Olvena, Otto
Beustuéなど、外来品種をメインに使うワイナリーのワイン以外は、なかなか手にすることが
できないため、そのイメージばかりが大きいと思う。
その土地を訪れてこそ見える、人達に触れてこそ感じられる、別の姿、本当の姿。
何よりも、ソモンターノでワインに携る人達のものすごい熱意、一生懸命さがすごく感じられた。

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丘の上から見たソモンターノ。葉が赤く染まってる畑もあれば、まだ緑だったりと色とりどり。

お次は、ソモンターノの老舗 Bodegas Lalanneから!

10月25日  

10月は結婚記念、誕生日などのイベントもあり、そして秋、最高にいい季節ということで、
毎年いつもどこかへ旦那と旅に出る。そういえば、2005年、新婚旅行も1週間、ピレネー山脈
中央部、今回と近い場所で過ごした。1000数mの標高で、木々が紅葉して素晴らしかったの
をはっきり覚えている。
ウエスカ県、北部のピレネー山脈中央部は、料理やワインだけでなく、山や峡谷、川などの
大自然、中世の村々など魅力がたくさんあって、何度訪れても大好きな地方だ。

今回、この地域は3度目。前回までは、ワイナリーを訪問したり、ワインにフォーカスしていな
かったため、そういう意味では初めてのソモンターノ。

「山麓」という意のソモンターノ、ピレネー山脈の手前、Sierra de Guara(グアラ山脈)に南部に
ある。平均海抜650m、冬にはまとまった降雨量があり、夏は暑く、非常に乾燥した地域。
バルバストロ市が中心で、1984年にDOとして認定されてから各ワイナリーの意識の高まりが
見られ、近代的醸造所の建設、ブドウ畑の整備と併せて、国際市場を強く意識した新しい
スタイルのワインを造っている。カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラー、シャルドネなどの
外来種が認められていて、私が今まで飲んだものも、上品でキレイにまとまって、世界的に
受け入れられやすいワインだ、という印象だった。
今回は、そうした有名なワイナリーのみだけでなく、少量生産で、この土地の固有品種にも
スポットを当てているワイナリーも訪れたい、今まで飲んだことのないようなソモンターノに
出会いたい、そういう思いがあった。

まずは、ソモンターノ近代化の立役者、 Bodegas Enate

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人口300人ほどの小さな村 Salas Bajasに位置。
アストゥリアスのNozoleda家が1989年に創立。DO認定後、エナーテは7番目のワイナリー。
当時、ブドウ畑がなかった土地に植樹し、ブドウ畑を造った。その創立当時の畑の開墾、栽培
方法などを詳しく説明するビデオを見せてもらったけど、これが圧巻。センサーメカニズムを使い、
機械がブドウ樹を触らないよう除草作業を行ったり、気候や湿度をコントロールするGPSシス
テムと衛星画像を使用するなど、ブドウ畑の管理にテクノロジーを最大限活用している。
一方で、除草剤・化学肥料などの不使用、100%手摘みでの収穫と、有機栽培にも重点を置く。

Somontano08 060
自社畑、約500ha。メインは外来品種、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラー、シャルドネ、
国内品種はテンプラニーヨのみ。秋も深まって、収穫終了直後、品種によっては葉が紅葉して、
その葉の色の違いではっきり品種の違いがわかる。

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ブドウ畑にバラの木(rosal)が植わっていた。バラはブドウと同じ植物系で、バラが病気や
害を先に患って自然の指標として知らせてくれるのだそうだ。土壌は砂混じりの粘土質。
ピレネー山脈中央部の麓、標高はそこまで高くないが、ミクロクリマに恵まれた気候。

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醸造セラー。暗くて、地下にあって、湿っていて、という普通のイメージとは無縁のデザイン。
フレンチオーク80%、アメリカオーク20%。

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瓶熟成するスペースは、音を吸収し、振動を極力抑える仕組みを作っている。
全ては良いワイン造りのために。年間生産量 400万本。

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エナーテのエノロゴ、Jesus Artajonaさん。今回の訪問ではお会いしなかったけど、実は、
旦那が10年近く前に何度か会って話したことがある方だと!昔住んでいたピソのルームメイト
を通して知り合ったのだそうだ。とっくにコンタクトは途絶えているそうで。。
でも、世界って狭いもんだなぁ。

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説明してくれたイネスさん(と、旦那)。余すところなく、すごく上手に説明してくださって、
接していてとても気持ちのいい方だった。

Enateの特徴はエチケットにスペイン画家の絵を採用していること。
スペインで画家の絵を使い始めた初めてのワイナリーなのだそう。斬新です。
本当に目を引くし、一度見たら忘れない、いいエチケットだ。

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私のお気に入りのエチケットは、シャルドネ白樽熟に使われているAntonio Sauraの絵。
ブドウに顔がついているシンプルな、そして愛らしくて快活な絵がすごく印象に残って。
目の不自由な人のために点字も印字するエナーテ。意気込み、感じられる。

名称 : Enate Chardonnay Fermentado en barrica 2006
品種 : Chardonnay 100%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Enate

味わいもすごく好き。収量の低い(4.500kg/ha)ブドウ畑のブドウを使用。
フレンチオーク新樽で発酵、MLF、樽熟は6〜8ヶ月。
バトナージュで澱の独特な味わい、滑らかさを引き出している。
果実の味わいも消すことなく、いいバランスが取れている。

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「Uno'2003」 295ユーロ!
エナーテのPlanacorという「内陸地中海性気候」というミクロクリマを享受する畑からの
シャルドネ。フレンチオークで発酵、MLF、樽熟を20ヶ月!
15度というアルコール度の高さ、生産量80本、これはまさにスペシャル!

ワインツーリズムが普及してきたのは、ごく最近のことだ。でも、エナーテは17年前創立だと
いうのに、既にワインツーリズムを考慮した設計になっていて、働く人たちの邪魔にならない
ワイナリーツアーができる仕組みになっていた。
  
Enateのワインはとんでもなく高い評価を受け、高級モダン・スパニッシュのアイコンとなって
いるブランド。エル・ブジ、アケラーレ、アルサックなどのミシュラン星付きレストランがこぞ
ってEnateのワインを置く。
デザイン、コンセプト、クオリティ、マーケティング、全てがうまい具合に調和しているのだろ
うな、と見学して思った。改めて、いいワイナリーだって実感できた。

↓ 日本では、ENOTECAさんがエナーテのワイン、輸入されています。

エナーテ

7年住んでいて、初めて行った下町のワイン祭り。 スペイン各地から10数箇所のワイナリーが今年の新酒を試飲させてくれる。 日本でボジョレーヌーボーが騒がれているちょうどこの時期にこっちではスペインワインの 新酒のお祭り。行きつけのワイン専門店のある小道が会場。 4ユーロでグラスをくれて、とにかく飲み放題、タパスも食べ放題。 そんなこともあって、すごい人!私たちも力入れて行きました! 20071201020039.jpg トロ、フミーヤ、ソモンターノ、リオハ、プリオラット、ペネデスなど色んなワイナリーが出展していた。とにかくすごい人で、ゆっくり全部試すことなどできず、もみくちゃにされながらなんとか飲んだワインたち。 (ソモンターノ) ソモンターノの代表的なワイナリーのひとつ、Olvena。 http://www.bodegasolvena.com/ 発酵中の状態をろ過処理せずに瓶詰めした「にごりワイン」。 まだ市場に出ていない商品ばかりで、うっとり。 Olvenarose.jpg 色 : ロゼ 名称 : Olvena Rosado 2007 品種 : メルロー100% 産地 : スペイン D.O. Somontano 生産者 : Bodegas Olvena ふわっと漂うフレッシュ苺の香りがとてもステキ。ふくよかで厚みがあってすごくいい感じ。 Olvenachardonnay.jpg 色 : 白 名称 : Olvena Chardonnay 2007 品種 : シャルドネ100% 産地 : スペイン D.O. Somontano 生産者 : Bodegas Olvena 20071201020028.jpg さすがOlvena。酸とミネラルのバランスがとても良く、美味しい! 微妙に泡を感じながら、濁った白をいただく。新酒ってほんとにわくわくする! 今年のソモンターノは夏の冷涼な気候のおかげで土地の水分が枯渇することなくブドウの品質が向上し、品質も収穫量も大満足の年だそう。 (リオハ) 20071201020047.jpg 色 : ロゼ 名称 : Muga Rosado 2007 品種 : Garnacha, Viura, Tempranillo 産地 : スペイン D.O.Ca. リオハ 生産者 : Bodegas Muga 実は後でわかったんだけど、このロゼ、完成品ではない。発酵後、樽で2ヶ月ほど寝かせてからろ過、瓶詰めのもので、この日飲んだのは、発酵後すぐの状態のもの。醸造完了後はまた味わいも変わるだろう。だから、ワイナリーの方が言ってたんだ、「実はこのロゼ、ほんとは飲んでもらっちゃいけないんですよー。2008年1月まで出ないものだから。」。 まだ発酵中だったり、完成していないワインは、常温で保管できず、ワイナリーから冷蔵車で運んできている。そこまでして、飲ませてくれるのはありがたいもんだー! リオハも2007年は総体的に良年だそう。収穫量は減るものの、高品質なブドウが収穫できたのだそう。期待したいところ。 フミーヤやリオハの赤も少しいただいた。どれも楽しんだ! タパスも美味しかった! 20071201020054.jpg いわしを焼いてオリーブオイルとパセリ、塩で和えたたれでいただく。 いわしが新鮮ですっごく美味しい! 20071201020103.jpg 至るところに松の飾りつけ。お正月?(笑) 20071201020110.jpg ソーセージのタパス。 ものの1時間半いただけで、かなりの疲労度だったけど(笑)、わいわいがやがやの雰囲気は やっぱり楽しい。日本の花火大会とか新年のお寺参りの人混みとかを久しぶりに思い出した。 気持ちの良い初冬の夜でした。