スペイン北部、ピレネー山脈の中部に位置する産地、ソモンターノ。
ソモンターノは、悪い状態のブドウを造るほうが難しいといわれるくらい気候、環境に
恵まれている。ピレネー山脈からの冷風が朝吹きつけ、ブドウ樹に冷気を与えてくれ、
午後2〜3時には気温が上がり、温まった風が、またピレネー山脈に戻っていく。
完璧な自然な換気がある。
湿度による病害、腐食などの問題はなく、きちんと剪定して、収量を制限すれば、
素晴らしい状態のブドウができることが約束されている土地。
世界では、シャルドネがどこもかしこでも栽培され「ABC(Anything but Chardonnay)」と揶
揄されることが多い。翻ってスペインでは、以前、リオハやラ・マンチャのテンプラニーリョ
などのワインばかりで、スペインのワインに飽き飽きしているという逆の問題があった。
そこで外来品種にいち早く目をつけたのがソモンターノだった。
ソモンターノは外来品種のスペインのメッカとして、大変な流行になり、一気にスターダムに
のしあがった!
外来品種ながら、良いブドウになる環境が整っていたソモンターノ、高品質で競争力のある
価格でワインを造り、90年台には、リオハ、リベラ・デル・ドゥエロ、プリオラートに並んで、
スペインでも最も知られる産地になっていた。
ソモンターノというと、エナーテ、ビニャス・デル・ベロなどが思い浮かび、どれも安定した
品質でエレガンスがあって、印象が良く、以前ブログでも綴った。
そしてまたソモンターノの魅力を改めて感じるワイナリーと出会った。
建設業で成功を収めたルイス・ソサヤ氏が2002年に創業。
ナバラ出身のルイス氏はワイナリーをつくるのが夢だった。
生産量100万本のうち75%は国内、25%は輸出。
そして、総生産量のうち250,000本は地元アラゴン州で販売。
このワイナリーのどこがすごいのか?!
自社畑のポテンシャルにある。

ルイス氏が一目惚れし、ポテンシャルを見抜き即購入したというバチマニャ畑。
ソモンターノは標高からいってそこまで高くない。
エナーテ、ビニャス・デル・ベロなどの大部分の畑が380〜420mなのに対し、このバチマニャ畑は
700mほど。ソモンターノで再も標高が高いのだそうだ。
もともとオリーブ畑だったところを、30000トンもの土を掘り返し整備し(さすが建設業に
携るオーナー!)、1998年から植樹したまだ若い畑。100haの畑。
酸がしっかりして良質のブドウができ、素晴らしいポテンシャルのワインができるということで
力を入れている。

バルバストロから標高600mのアルケサルに向かう途中にある畑、バチマニャ。
そこから、雪をかぶったピレネー山脈が見える。キレイだぁ〜。
雲っていたのだけど、少し晴れて、山肌を見せてくれた!
ワイナリーのある標高360mから、この畑に来ると、気温の変化をはっきりと感じる。
ワイナリーの近くには、既にアーモンドの花が満開だったけど、バチマニャのアーモンド
はまだ五部咲きほど。
8月は昼は暑く、33℃、でも夜は16、17℃まで下がり、ブドウの香りが育まれていく。
ゲブルツトラミネール、テンプラニーリョ、シャルドネ、ガルナッチャ、モリステル、などを栽培。
現在、このバチマニャ畑のブドウが使われているのは、トップ・キュヴェの「ラウス アルト 700」
シリーズが主で、その他のスタンダードキュヴェは、他の自社畑のブドウを使っているのだけど、
どの白・赤も、素晴らしいバランスと、品の良さ、爽やかさがあって、様々な料理に合わせやすく、
心地よく飲めるワインに仕上がっている。

バチマニャの麓にはピレネー山脈で産まれるベロ河が豊かな水をたたえる。
ラウスでは、収穫は全て機械。スペインのように温暖な土地では、暑い昼間に手摘みで
収穫するより、早朝に一気に収穫して、まだ涼しいうちに醸造所に搬入したほうが、
ブドウの酸化・劣化を防ぐことができ、機械収穫のプラスの面のほうが大きいと判断。

そして、建物の周囲に浅いプールを造って、ひさしを造って影をつくり、その水と影と、
ピレネー山脈から吹いてくる風とで、醸造所内が、10℃は下がるなど、省エネ、環境を
考えた設計がされているのには感動!

今まで醸造所で見たことがなくて興味深かったのが、発酵の「ダブル発酵タンク。」
中が上槽と下槽に分かれていて、上槽の底部は斜めになっている。
上槽で果帽とともに発酵、底部は斜めになっているので、果帽が一箇所に集まり、果汁を
チューブで下槽に移してから、中部の扉を開けて果帽を取り出す。
全て重力フローのシステムで醸造を行うよう、工夫がされている。

左は営業事務のスザンナ、右は営業マネージャーのスタンリー。
真ん中は、、、、ワインを買いに来ていた地元のお客さん(笑)。
一部のワインを紹介。
名称 : Laus Flor de Gewurztraminer 2008
品種 : Gewurztraminer 100%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Laus
バチマニャ畑のゲブルツも一部使用。
豊かなフローラル、ライチ、ミネラリー、残糖も少なくドライ感がとても良い。
アジア料理にいいなぁと思う。
名称 : Laus 700 Alt Blanco 2006
品種 : Chardonnay 65%, Gewurztraminer 35%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Laus
白トップ・キュヴェ。
発酵はステンレスタンク、発酵の終了時に少し樽に入れる。その後、5ヶ月樽
(アメリカ・フレンチミックス樽)で熟成。
トロピカルフルーツ、パイナップル、でも爽やか、時間が経ったら、ゲブルツのライチ、
瑞々しさが、、様々な顔を見せてくれる白だ。
名称 : Laus 700 Alt Tinto 2004
品種 : Syrah 40%, Cabernet Sauvignon 35%, Merlot 25%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Laus
フレンチオーク樽 16ヶ月熟成。タンニンが丸く、とてもエレガント。
バチマニャ畑のブドウを100%使用。
今年半ばにリリース予定の「Gloria 2004」というカベルネ100%の赤
サラス・アルタスという畑で樹齢35年、最良のカベルネを使い、フレンチオーク24ヶ月。
収斂性があって、すごいポテンシャル。ミネラリーです。
スタンダード、トップ共に、白、ロゼ、赤みんな洗練されていると思う。
100haあるバチマニャ畑、2003年に植えたものもあり、そうした若木のブドウはまだ
ワイン造りには使っていないが、将来的には、このバチマニャ畑のブドウを使って全ての
ワインを造ることが目標だとのこと。
様々な可能性を秘めた、これからも本当に楽しみなワイナリーだ!
















































トロ、フミーヤ、ソモンターノ、リオハ、プリオラット、ペネデスなど色んなワイナリーが出展していた。とにかくすごい人で、ゆっくり全部試すことなどできず、もみくちゃにされながらなんとか飲んだワインたち。
(ソモンターノ)
ソモンターノの代表的なワイナリーのひとつ、Olvena。
色 : ロゼ
名称 : Olvena Rosado 2007
品種 : メルロー100%
産地 : スペイン D.O. Somontano
生産者 : Bodegas Olvena
ふわっと漂うフレッシュ苺の香りがとてもステキ。ふくよかで厚みがあってすごくいい感じ。
色 : 白
名称 : Olvena Chardonnay 2007
品種 : シャルドネ100%
産地 : スペイン D.O. Somontano
生産者 : Bodegas Olvena
さすがOlvena。酸とミネラルのバランスがとても良く、美味しい!
微妙に泡を感じながら、濁った白をいただく。新酒ってほんとにわくわくする!
今年のソモンターノは夏の冷涼な気候のおかげで土地の水分が枯渇することなくブドウの品質が向上し、品質も収穫量も大満足の年だそう。
(リオハ)
色 : ロゼ
名称 : Muga Rosado 2007
品種 : Garnacha, Viura, Tempranillo
産地 : スペイン D.O.Ca. リオハ
生産者 : Bodegas Muga
実は後でわかったんだけど、このロゼ、完成品ではない。発酵後、樽で2ヶ月ほど寝かせてからろ過、瓶詰めのもので、この日飲んだのは、発酵後すぐの状態のもの。醸造完了後はまた味わいも変わるだろう。だから、ワイナリーの方が言ってたんだ、「実はこのロゼ、ほんとは飲んでもらっちゃいけないんですよー。2008年1月まで出ないものだから。」。
まだ発酵中だったり、完成していないワインは、常温で保管できず、ワイナリーから冷蔵車で運んできている。そこまでして、飲ませてくれるのはありがたいもんだー!
リオハも2007年は総体的に良年だそう。収穫量は減るものの、高品質なブドウが収穫できたのだそう。期待したいところ。
フミーヤやリオハの赤も少しいただいた。どれも楽しんだ!
タパスも美味しかった!
いわしを焼いてオリーブオイルとパセリ、塩で和えたたれでいただく。
いわしが新鮮ですっごく美味しい!
至るところに松の飾りつけ。お正月?(笑)
ソーセージのタパス。
ものの1時間半いただけで、かなりの疲労度だったけど(笑)、わいわいがやがやの雰囲気は
やっぱり楽しい。日本の花火大会とか新年のお寺参りの人混みとかを久しぶりに思い出した。
気持ちの良い初冬の夜でした。




