DO RIBERA DEL DUEROの最近のブログ記事

同じイベリア半島、スペインのお隣の国、ポルトガル。
同じ河が2つの国を流れる。
その1つ、ドゥエロ河(スペイン)とドウロ河(ポルトガル)。
同じ河沿いで、国が違えば造られるワインも文化もまた違う。

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ドゥエロ河はソリアを水源とし、ブルゴス県、バリャドリッド県、サモーラ県、
ラマンカ県と流れポルトガルに入る。
ソリアでは標高1100mの地から始まり、リベラ・デル・ドゥエロのあるアラン
ダ・デル・ドゥエロは標高900mほど、サモーラでは800m、そして標高が下がっ
ていき、ポルトガルに入り、ドウロでは300mほどだ。

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この夏、初めてドウロを訪れた。
ドウロでは山々の谷間を蛇行し、
の両岸の急斜面でブドウが栽培
される。起伏に富み、多くの谷や
川(支流)に囲まれた山岳地帯。
ドウロ河口にある街ポルトで造
れるポートワイン。でも原料の
ドウはそこから内陸に100㎞ほ
どの場所にある銘醸地ドウロだ。
現在はワイナリーが多く見られる
が、90年代までは生産者はドウ
ロにはなく、ポルトに醸造所、
庫を持ち、ワイン商がドウロに
やってきてブドウを買い付け醸造
し、樽に入れてドウロ河を船で輸
送し、ポルトで熟成させていた。
今でもドウロの奥に入っていけば
行くほど狭い道路、舗装されていない道が多く、河岸にあるワイナリーに辿り
着くには 4WDでしか行けない恐ろしい山道が多いのだ。。
気候は地中海性気候で非常に温暖。プリオラートに似ている感じだけど、夏は
40℃を超えることも多く、河の湿度もあるため夜も温度が下がらず、昼夜の
温度差が余り大きくない。地形はリベイラ・サクラに似ている。
こうした環境の中、伝統的に酒精強化ワインが造られてきたのは理に適って
いると言える。ただ、ポートは5大生産者が独占的な市場で中小規模の生産者が
入り込む余地がなく、また、近代醸造技術や高標高や南向きの右岸より左岸の
冷涼な場所を見つけこだわりのスティルワインを造る醸造家が90年代から出始め
ポート生産者もスティルワイン(DOCと呼ぶ)を造るようになり、今回のテイス
ティングでもそのクオリティと多様性に驚かされた。

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1756年に世界初のDOに認定され、14世紀か
らのポートワイン造りの歴史が綿々と伝わる
地である。
品種は様々。トゥリガ・ナシオナル、トゥリ
ガ・フランセーザ、ティンタ・ロリス(= リ
オハのテンプラニーリョ)など、伝統的に混
植されてきた。
土壌はシスト(粘板岩)や花崗岩が多い。










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変わってリベラ・デル・ドゥエロ。
ワイン造りの歴史は長くともDO認
定は1988年の比較的新しい産地。
ベガ・シシリアの存在によりファ
インワイン造りが始まる。
1970年代にペスケラやプロトス
が創業し畑が増える。
1980年代にはブドウ栽培農家が
生産者としてワインを造り始める。
1990年代、国際的にリベラが注
目されるようになると生産者数は
一気に増え、国内外の醸造家が気
候や地質のポテンシャルに魅了され
ワイン造りを始め、1990年代は24
社だったのが2010年には230社に増えた。
大陸性気候で夏は暑く冬は非常に寒く昼夜の温度差も大きい。
テンプラニーリョ(ティント・フィノ)主体。石灰質を中心とする土壌で
素晴らしい長熟のポテンシャルあるブドウが得られる。

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バルセロナのワインショップ
ビナコテカで10月にドゥエロと
ドウロの比較ワイン会があった。
計 8 アイテム、それぞれ価格帯や
コンセプトが似たものをペアにし
て計 4 セットを比較。
それぞれの個性や違いが見えて
非常に面白かった。







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例えば、ガレージワインの代表。
ドウロ中央のエリア、シマ・コルゴでホル
ヘ・モレイラが造るポエイラ、
そして
リベラでは最も小規模な造り手の1人で、
ブドウ本来の味わいを表現しようとワイ
ン造りをするゴヨ・ガルシア・ビアデロの
エル・ペルコ。
リベラの中ではこのゴヨ氏が持つ古樹畑が
ある中央部の北ロア近辺、標高 800 ~
900mほどの三角地帯、そして東部のソリ
アの高標高にわずかに残る古樹エリアが非
にポテンシャルがあると思っているけど
このエル・ペルコ、酸がかなり突出して、
アンズや梅のようなニュアンスがするほど。
2009なのにまだ若いじゃじゃ馬的な
相を持ち、エレガントですごいポテンシャ
ル。


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そして、より長熟のポテンシャルがあり深さ
など色んな要素が上質ワインたち。
創業10年で今やリベラ・デル・ドゥエロで偉
大なワインを造るアロンソ・デル・イェロの
トップキュヴェ マリア 2010。
非常にイキイキとしたフレッシュ感、果実の
凝縮感にエレガンス。洗練されたタンニンに
縦の線が一本すーっと。
リベラの新境地。素晴らしい。
ドウロ中心部ピニャンで元ニーポート醸造家
ホルヘ・セロディオが造る。ティンタ・ロリ
ス主体で30品種がブレンドされる。
熟成が良い感じに進んでいて、ミネラルも豊
かで、タンニンも丸く、今飲むなら 2008の
こちらだろう。





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高価格帯の2アイテム。
ブルゴーニュとモーゼルの大ファンで、ドウ
ロでリースリングやピノも栽培するディル
ク・ニーポートが造る Charme。
樹齢70~100年のティンタ・ロリス、トゥリ
ガ・フランセーザなどのブレンド。全房でラ
ガール(石桶)で足踏み、発酵。
赤果実、リキュール、スーボワ、キノコ、
エレガントな赤。
リベラはドミニオ・デ・アタウタの
バルデガティレス 2007 
東部ソリアの高標高、冷涼な地で自根で育つ
古樹のテンプラニーリョ。
2007と6年経っても、まだ石のような硬さ。
すごい長熟のポテンシャルを感じる。
ゆっくりゆっくり眠りから覚めていくの
だろう。好みとしては Charme だけど、
クオリティは断然バルデガティレスだ。


同じ河というだけで、標高も土壌も地形も品種も異なる2つの産地。
比較するものでもないのだろうけど、全く違う個性がありとても楽しかった。
全体的に感じたのはドウロのスティルの方が様々なスタイルがあること。
品種がたくさんあってブレンドによって顔を変えることも可能なのは確か
だけど、フィロソフィー、造り方などの部分で造り手の様々な考え方が多様に
反映されている気がする。リベラ・デル・ドゥエロはクローンの種類もそこ
まで多様性がないのだそう。

それにしても、ポルトガルに行って驚いたこと。
ポルトガル人の語学のセンス!英語とか、発音も含めてとっても上手な人が
多いのにびっくり!同じイベリア半島でスペイン人とほんとに違うな~、笑。
そして、サービス意識のレベルも。お店や宿やどんなところでも笑顔でお客
さんに対応、「オブリガード(ありがとう)」という言葉を何度言われた
ことか。やる気ないの丸見えでぶすーっとしてる店員、いなかった。
日本だと普通だけど、これもスペインとは違うなぁ~、笑。
なんだろね。スペインは歴史的に大国で帝国時代があって、ポルトガルは
小さな国でなにくそ精神で頑張ってきた、そういうところあるんだろうか。
スペインは自らもよく言う
Los españoles se creen que son los mejores sin razón ninguno.
(スペイン人は何の理由もなく自分たちが一番だと思いこんでる)
そこのところの違い、なのかな、、。

ところで、「文化」という言葉。
Culture はラテン語の cultura から来ている。cultura の語幹は colere で
「守る、手入れをする、耕す」という意味。「教育によって知性を育てる」と
いう、より抽象的な意味や、現在の意味に近い文明の知的な側面や人々の生活
様式などを含む意味を持つようになったのは19世紀に入ってからのことなの
だそう。つまり、ルーツは「耕す」= 農業。大地を耕し、大地から得られる
産物への感謝、大地・自然に対するリスペクト。そうしたことが「Culture」の
ルーツ。
お国違えば文化も違う。私たちの体に取り込まれ、命を与えてくれる「食べ
物」をくれる大地。その人間の根本の部分に立ち返ると、それぞれの場所の
個性が見えてくる、というのもうなずける。
その根本の部分に、酒もある。ワインもある。
また来年も色んなことを感じさせてもらいながらワインを楽しんでいけたら
幸せだ。

いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
アップもマイペースですみません。。笑
でも引き続き、ワインの徒然、スペインから書いていきますので、ブログを
通じても皆様とつながれましたら幸せです。

皆様にとりまして来年が健やかで幸多き年となりますよう!

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先日初来日を果たしたホセ・
ペニン氏。
テロワールを大事にするリオハで
数少ない造り手の1人、
ベンハミン・ロメオ氏とのセミナー
ために。
なかなかお話しできる方でもない
し、スペインワインを 30 年以上
啓蒙すべく第一線で活躍されてき
た方だけに色々伺ってみたく。
限られた時間の中で伺った中での
ペニン氏のコメントの一部が以下。

「リベラ・デル・ドゥエロはもと
もと穀物やビートなどの栽培が主な
エリアで、ベガ・シシリアの創業に
よって少しずつブドウ栽培が広がっ
たが、古樹の畑はそんなに多くなく、テロワールを大事にする造りができる生産者は
非常に僅かです。」

「実際のところ、スペインではブドウを過熟させて醸造する習慣があったことは
事実で、ブドウは熟せば熟すほどブドウの個性が失われ、どの品種のワインも
特徴が似てくる。収穫のタイミングをこれまで早める(完熟)ことでブドウ
本来の表現をより出すことが可能で、重要なのです。」

そのリベラ・デル・ドゥエロでホセさんのおっしゃる両方を体現し、今や同産地の
トップ生産者の1つとなっているのが、アロンソ・デル・イェロだ。

この生産者の詳細についてはリベラ・デル・ドゥエロの現状と共に以前記事
綴ったけど、アロンソ・デル・イェロは同産地の新潮流の良例と言える。

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ベガ・シシリアは別に考えて、
ボルドー製法を信奉し、過熟気
味のブドウ、高い抽出、凝縮度
の高さ、タンニンの硬さ、トー
ストレベルの高いフレンチオー
新樽の多用、そうしたスタイ
ルが良しとされそれに倣ってい
た時期が確かにあった。
でも、それは本当に不可欠だっ
たか。
リベラ・デル・ドゥエロはテン
プラニーリョだ。カベルネ・
ソーヴィニヨンでもメルロでも
ない。
その土地本来のものが表現され
ていたか。

高標高、大陸性気候、日照量、土壌、非常に恵まれたテロワールがありながら
そうした傾向が続いていたことに反旗は自然と翻る。

ワインを面白くするものは何か。よく考える。やはり、個性だろう。
世界中で造られるワインだからこそ、その土地でしかできない、ユニークな
表現を、ピュアな表現を感じることができること、それが楽しい。
グローバル化されたワインが無数にある中で、それを追求するワイン造りが
より進行していくことは必然だと言える。

良いワインは良いブドウから、生態系をリスペクトした栽培、人的介入を極力
減らし、よりナチュラルに、よりフレッシュに、
そうした造りのリベラの代表、アロンソ・デル・イェロ。

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全国紙エル・ムンドのワイン版ウェブ、Elmundovino は最近ワイン・アドヴォ
ケイトのスペイン、中南米担当を任されたルイス・グティエレス氏や同ウェブ
責任者であるビクトール・デ・ラ・セルナ氏などスペイン随一のワインのプロが
記事を書いているが、最近の記事でリベラ・デル・ドゥエロのテイスティングが
載っていた。
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リベラを代表する生産者たちの
28 アイテムを試飲し、トップ
に輝いたのがアロンソ・デル・
イェロ 2010 だ。
同ワイナリーが造る赤 2 アイ
テムのスタンダードキュヴェの
方だけど、リベラのワインは高
額なものが多い中で、だからこ
そのコストパフォーマンス。

ビクトール・デ・ラ・セルナ氏
はこのワインのことを「(試飲
した中で)最も完度が高いワ
インで、アロンソ・デル・イェ
ロはエレガンスを表現する究極
の存在だ」とコメント。

名称 : Alonso del Yerro 2010
品種 : Tinto fino 100%
産地 : DO Ribera del Duero

造りは前ビンテージとほとんど
変わらず、2010 はリベラらし
い暑さ、寒さがしっかりとあり
しかし2009ほど暑くなく、ブ
ドウがゆっくりめに成熟。

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とてもフレッシュな赤果実、縦の線が一本あり、
集中し、重心が上で緻密でエレガント。
これからどんどん開いていくだろう。









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昨年、米国の主要ワイン専門誌 「Wine Enthusiast」でリベラ・デル・ドゥ
エロが世界の「最高のワイン産地」に選ばれた。同産地の長い歴史の中で
テンプラニーリョの最大限の表現を追求し、近年の飛躍的な進化、国際市場に
おける認知度の高さなどを評価。
PRやワインツーリズム(Ruta del Vino Ribera del Duero)も強化するなど
産地をあげて力をいれている。

これから、もっともっとこの産地は面白くなっていくのではないか。
楽しみだ。


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最近の全国紙「エル・ムンド」に載っていた
「リベラ・デル・ドゥエロに魅了され居ついた
フランス人たち」

有名どころでは、
ステファン・ドゥルノンクール
ミシェル・ロラン
パスカル・デルベック
など、
でもそれだけでなく、フランスは言うまでもなく、世
界中でワイン造りの経験を積み、リベラ・デル・ドゥ
エロに辿り着き、留まることを決めたフランス人醸造
家が、この記事だけで 10 人紹介されている。


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「1990年代の頃はリベラ・デル・ドゥエロはまだまだ国際的に知られていない産地で
 その分自由にワイン造りができる寛容さがあったから。」

「リベラはフランスの銘醸地と同じレベル、もしくはそれ以上のクオリティのワインを
 産む環境が揃っている。粘土質・石灰質の混じり合った土壌、標高の高さ、極度の
 寒さと暑さの気候、地形により形成される様々なミクロクリマ、古樹の畑、ワイン
 造りの長い歴史など、グラン・ヴァンが産まれるのに必要な要素が揃い、素晴らしい
 長熟のポテンシャルのワインが出来得る。ドゥエロ河沿いにあるこの産地は世界
 最高水準の環境にある。」

なぜ、これだけのフランス人がこの土地に魅了されているのか、それは彼ら自身の
コメントに如実に表れている。

リベラ・デル・ドゥエロは 2000 年のワイン造りの歴史があり、世界的に知られる
スペインを代表する銘醸地とされるが、本当の意味でクオリティを追及する歴史は
以外と短い。19 世紀半ばに創業したベガ・シシリアは別として考えたい。
もともと、リベラ・デル・ドゥエロのブドウ栽培面積は今ほど多くなく、レモラチャ
(ビート)やジャガイモが多く植わっていたそうだ。ベガ・シシリアが創業し、農家から
ブドウを購入しはじめると、農家はジャガイモのかわりにブドウに植え替えたそうだ。
そして、1970 年にペスケラやプロトスが創業すると、その勢いは増し、更に畑が増え
1980 年代にはブドウ栽培農家は生産者として量を造り始める。
1990 年代国際的にリベラ産地が注目されるようになると、生産者数は一気に増え、
2000 年に入り投資家がワイン造りをし始め、生産者数は更に増え続けた。
しかし、そうした生産者の中には醸造技術をきちんと知らない人も少なくなかったそう。
ティント・フィノ(テンプラニーリョ)はリオハのテンプラニーリョと比べて果皮が
厚く更にボディがある特徴を持ち、すごいワインが造れる!ということで、樽を使い
過ぎたり、過剰な MLF をしたり、還元がすごかったり、そんなワインが造られた。
そんな中、少しずつリベラの素晴らしいポテンシャルのあるブドウを活かした本当に
良いワイン造りをしようとする海外で研鑽を積んだ若い醸造家や上のフランス人のような
外国人醸造家が、樽を使いすぎない果実味の豊かなスタイルのワインを造り始めている。

Pago de Los CapellanesAbadia Retuerta (DO に属してはいないが)、Vega Sicilia
現在リベラ・デル・ドゥエロには 255 の生産者がいるが、本当に素晴らしいワインを
造る生産者を挙げるとなると非常に限りがある。

アロンソ・デル・イェロ

一つの例だ。
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もともと製薬業に従事していたハビ
エル・アロンソ氏とマリア・デル・
イェロ夫妻が 2002 年に始めたプロ
ジェクト。マドリッド出身の彼らは
北に 200km 程の場所にあるリベラ
に魅了され、ワインを愛する彼らは
とにかく品質にとことんこだわる、
数より質をとことん大事にすること
を決め、着手。




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・ボルドーの著名醸造家ステファン・ドゥルノンクール
 氏をコンサルタントに迎え、リベラの土地の個性を最大
 限に引き出すワイン造りを追及
粘土質、石ころが多い、石灰質、砂質など様々な土壌が
 細分化され、標高の高い、ミクロクリマに恵まれた区画
 を探し、土壌微生物学の権威クロード・ブルギニョン氏
 に徹底的な土壌分析をしてもらい、購入
・トップキュヴェ「マリア」は良い年のみリリース
・低収量 3,000 ~ 5,000 kg/ha (DO 規定は 7,000 kg/ha)
・農薬は使用しない有機栽培、硫黄散布、堆肥のみ
・大きく 4 ブロックに分かれる畑を、また更に細分化し
 ブドウやできるワインのスタイルによって個別に醸造
・20 万本 ~ 500 万本と量を造る生産者が多いこの産地で
 自社畑のブドウのみでできる 70,000 本以上は絶対に
 造らない


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・カベルネ、メルロなどとブ
 レンドせず、ティント・
 フィノ 100 %で個性を引
 きだす

これまたボルドー育ちでボ
ルドー、アルゼンチン、カリ
フォルニアなどで研鑽を積み
2006 年から当ワイナリーで
栽培・醸造全てを任されてい
る醸造家リオネル・グルグさ
んが畑を案内してくれた。

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トップキュヴェ「マリア」用
の2区画のうちのひとつ
「El Circo」。
標高 837 mとリベラの畑の
中でも最も高い場所にあり、
西向きの緩やかな斜面の粘土
質・石灰質土壌。タンニン、
骨格を与えてくれ、もう一つ
の砂利の多い区画
「Violeta」
がエレガンス、ミネラル、フ
ローラルさを与える。

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リベラ・デル・ドゥエロの粘
質土壌は雨が降って乾いた後は
特に石のように硬く固まってし
まう特徴で、素晴らしいブドウ
が産まれる土壌ではあるが、そ
のあまりの硬さにブドウ樹の根
が地中に伸びるのを遮ったりし
てしまうマイナス点もあるため
当ワイナリーでは畝間に雑草を
生やしそれらの根で土中に隙間
や空気を入れるよう工夫してい
る。
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リベラ・デル・ドゥエロは西はバリャドリッドの東部から東はソリアの少し手前までの
150 km、北はアランダ・デ・ドゥエロ北部から南に 25 km ほどの所までの産地。
真ん中をドゥエロ河が横断し、それにほぼ沿うようにして国道 122 号線が通る。
大きく3エリアに分かれる。

① ペニャフィエルあたりまでの西部
  標高が低めでほとんどが河沿いの谷間になっている。土壌もより深く他エリアより
  肥沃な土地。
   生産者例 : Mauro, Aalto, Vega Sicilia, Dominio de Pingus, Pago de Carraovejas
② ロアを中心とするリベラ中央部
  標高が高くなり、緩やかな斜面や丘陵が広がり、斜面の上部には砂利を多く含む
  石灰質土壌、下部には粘土質・石灰質土壌で良質のブドウができる。
  Roa, La Horra, Anguix の 3 村をつなぐ三角地帯は良質のブドウが産まれる
  黄金地帯と評される。アロンソ・デル・イェロの畑もここにある。
          生産者例 : Viña Sastre, Pago de Capellanes, Alonso del Yerro
③ ソリア県に位置する東部
       ①②より緑がない砂漠的なエリアで、標高は少しだけ高く、より寒さ・暑さが厳しい
  リベラ・デル・ドゥエロは基本的に 1980 年代に植樹された比較的若い樹齢の樹が
  多いが、この東部には高樹齢の素晴らしいポテンシャルのあるブドウができる小さな
  区画がわずかに残っているという。
   生産者例 : Dominio de Atauta, Dominio de Atauta

生産者例を見ると最も名の知られた生産者が集中しているのは ① 西部のようだが、
多くの生産者が ② のエリアに畑を所有したり購入したりするケースが多いのも事実な
ようだ。
もちろん、全般的な傾向で、各エリアに特徴の異なる素晴らしい区画があるのだろうな。
気候は大陸性、雨が少なく、夏は非常に暑く冬は酷寒。昼夜の温度差が大きく、夏は
昼間 40 ℃まで上がっても夜は 8 ℃まで下がる。

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名称 : Alonso del Yerro 2009
品種 : Tinto fino 100%
産地 : DO Ribera del Duero

除梗・破砕せずステンレスタンクで発酵、抽出というよ
りは煎じる方法で醸造、優しくマセレーション、ルモン
タージュ。
フンチオーク樽で 12 か月熟成(新樽比率 20~25 %)

まだ紫がかり若さがあり、とてもフレッシュな赤果実、
キレイに溶け込んだ樽、トップキュヴェのマリアほどの
ストラクチャーはなくてもとてもバランス良く、複雑味
あり、今でも楽しめて長熟のポテンシャルがある。


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名称 : María   Alonso del Yerro 2009
品種 : Tinto fino 100%
産地 : DO Ribera del Duero

El Circo, Violeta の2区画のブドウを別々に木製バットで
醸造、フレンチオーク樽(新樽比率 60 %)で 18 か月熟成。
果実味豊か、フローラル、タンニンに厚みがあり、素晴ら
しいストラクチャー。石を舐めたようなミネラル感。

とにかくどちらも果実、樽、様々な香りのニュアンスに繊
細さがあり、それがバランスよく絡み合い、果実の凝縮感
と共に、冷涼さ、軽やかさがありしっかりと背骨を感じる。
樽使いが非常に上手。


マリアさんとライオネル(栽培、醸造責任者).JPG

マリアの 2007 ビンテージは彼ら
とって納得できる出来では
かったため未リリース。
近所の農家や生産者からは頭おかし
いのでは、ブドウ買って造ればいい
のに、と批判されたそうだけど、彼
らのこだわりの姿勢がよくわかる。

→ マリアさん(左)と
 リオネルさん(右)


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19 世紀半ばのフィロキセラ禍で
フランス人がスペイン北部にワ
インを求めてやって来、近代醸
造技術を伝えた。
それから 1 世紀、今度は必要性
からではなく、土地に魅了され
フランス人がやって来、ワイン
造りをしている。
その代表が

リベラ・デル・ドゥエロ

だ。



食べる飲む大好きな5人でお料理とワインの会を開催!
料理担当は、バルセロナの和食屋老舗である 「やしま」 さんで働く料理人ぺぺさん!


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ぺぺさん、やしまさんでは鉄板焼の料理人さんだけど、どんな料理にも研究熱心で、
ほんとに色んなお料理を作れてしまう必殺料理人!すごいなぁ。ほれぼれ。。

はっきり言って、ワインも忘れそうになってしまうぐらいのお料理の素晴らしさだったのだけど(笑)、
忘れるわけにはいきません、ワインたち!
まずはワインから紹介させてくださいまし。

テーマはテルモ・ロドリゲスのワインたち。

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名称 : Gaba do Xil 2008 品種 : Godello 100%
産地 : DO Valdeorras
生産者 : Compañía de Vinos Termo Rodríguez

名称 : Basa 2008
品種 : Verdejo 100%
産地 : DO Rueda
生産者 : Compañía de Vinos Termo Rodríguez

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名称 : Gaba do Xil 2008
品種 : Mencía 100%
産地 : DO Valdeorras
生産者 : Compañía de Vinos Termo Rodríguez

名称 : LZ 2008
品種 : Tempranillo 85%, Graciano, Garnacha
産地 : DOC Rioja
生産者 : Compañía de Vinos Termo Rodríguez

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テルモ・ロドリゲス氏
日本でもかなり前から色んな所で紹介されてるし、はたまたマンガ 「ソムリエール」でも
「ガバ・ド・シル 赤」がエルミタージュのトップクラスの生産者のものと間違われるほどの
味わいだとか、注目されてるから、詳しい説明は要らないだろう。

躍進著しいスペインワイン、やっぱりその魅力は、豊かな大地と自然、スペインならではの
土着品種だ。そうしたものを大切にしたワイン造りは一見当たり前に思えるけど、特に
フランコの独裁政権の時代、質より量を重視したワイン造りで、そうしたことを忘れかけていた。
しかし、その当たり前のことを取り戻させた第一人者がテルモ氏といえる。

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スペイン中の様々な産地で、その土地のパートナーを探し、ワイン造りをする。
リベラ、リオハ、などの主要産地だけでなく、シガラス、バルデオラス、アリカンテ、
アビラなど様々な産地でワインを造る。

どれもバランスの取れた、クリアの味わい、品種の味わいを感じられる、ワインたち。
それぞれの産地で、自分の嗅覚でこれだと思う畑を発掘する。
それを素直に表現するワインを造る。
テルモさんの素晴らしい感性、情熱、感じることができる。

そんなワインたちと楽しんだぺぺ料理の数々!

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ピスタチオ鶏

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鮪と烏賊のタプナード

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ほうれん草とムール貝

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春菊と桜海老のトルティージャ

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アーティチョークのパラダイス (中身見えないけど(笑))

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オマールカレー

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ハンバーグエスパニョール

卵とキノコのスパゲッティ (あ、撮るの忘れた。。)

あぁーー、どれも美味しくて、ワインと共にたくさんたくさん楽しんだ!

名称 : Matallana 2005
品種 : Tinto Fino 100%
産地 : DO Ribera del Duero
生産者 : Compañía de Vinos Termo Rodríguez

最後に楽しんだ、テルモ氏の最上級クラスのワイン、「マタヤーナ」。
普通、畑は購入せず、その土地のパートナーを見つけてワイン造りをするテルモ氏、
でも、このマタやーナだけは別。
リベラ・デル・デュエロに5ヘクタールの土地を購入、平均樹齢60年にもなるという古木の
ティント・フィノ(テンプラニーリョ)を植付ける。
1本の樹からなんと2房のみの収獲という超低収量だそう。
オーク樽で発酵後、18ヶ月熟成。

スパイシーでミネラルな香り、濃厚な色と薫り、タンニンが滑らかで。。。

たった4000本の生産量の1本を、最高のぺぺ料理と共にいただきました。
すごいお腹になったぁ(笑)。

ぺぺちゃん、ありがとおお!