バルセロナ中心部にある 2 大市場の1つサンタ・カテリーナ市場。
自然の光が入り解放感のある雰囲気の市場、
上空から見たらこれがまたすっごくステキで。
その市場の前でこの土曜日、モンサ
ンのワイン祭りが開催された。
DOが認定されて今年が10周年なの
だそうで、その記念にモンサンのワ
インをもっと知ってもらう主旨で
開催された。
スペイン北東部カタルーニャ州、バルセロナから南西に150kmほど行った山間の産地が
モンサン。銘醸地として知られるプリオラートが真ん中にあって、その周りを囲むように
してあるのがこのモンサン。
主要品種は、ガルナッチャ、カリニェナ、ガルナッチャ・ブランカと同じ。
では何が違うか。
モンサン プリオラート
降雨量 500 ~ 600 mm 500 ~ 600 mm
気候 地中海性、山脈が走っている 地中海性、温暖で乾燥
ため大陸性気候の影響も 夏はほとんど雨が降らない
海からの湿った風が吹き込む
土壌 主に石灰質を含む丸い小石が多い リコレリャ(粘板岩)
土壌、その他、花崗岩質、 わずかに粘土質
リコレリャ(粘板岩)
畑 平地から緩やかな斜面、急な 急な斜面、段々畑
斜面など様々
DO 2000年より 1954年より(2000年よりDOQ)
価格 プリオラートより安い 高い
隣合わせでも環境は異なる。
特に赤ワインについて、質の歴史を見てもプリオラートの方が早く取り組んでおり、
世界でも珍しいリコレリャ(粘板岩)土壌で知られるプリオラートでは、石のような
ミネラルが豊かに感じられ、長熟のポテンシャルが高く、よりしっかりしたストラク
チャー赤ワイン。それに対してモンサンの赤は、果実味がより感じられ、余韻もプリ
オラートほど長くないものが多い。
それでも情熱を持った若い醸造家たちも多く、質の向上は目覚ましく、多様な土壌、
プリオラート同様古い樹齢の畑も多くあり、低収量で素晴らしいワインを造る造り
手も出てきている。
名称 : Dido "La Universal" 2009
品種 : Macabeo
Garnacha Blanca
Xarel.lo
産地 : DO Montsant
生産者 : Venus La Universal
プリオラートの改革家「4人組」の
1人ホセ・ルイス・ぺレス氏の娘サ
ラ・ぺレスが旦那のルネ・バルビ
エとモンサンで造るワイン
「ディド」。
花崗岩質で有機質に乏しく痩せた土
壌の 4 haの畑でブドウを栽培。
99年から始めたプロジェクトで当初はまだ樹齢が若すぎたため、契約畑からブドウを
購入していたけど、今は自社畑のブドウで造り始めたみたい。有機栽培で、野生酵母で
醸造、SO2もボトリングの際にほんの少量添加する程度。
かなり前飲んだ時よりピュアさがあってすごく良かった。
サラさんは、ほんとに素晴らしい醸造家だと思う。
名称 : Vi Novell 2011
品種 : Garnacha, Cariñena,
Cabernet Sauvignon, Syrah
産地 : DO Montsant
生産者 : Celler El Masroig
こんなかわいい豚さんのラベルも。新酒と
して、スペインの解禁日11月11日から1月
頃までの期間限定で販売するワインだそう
で、スペインでこうやてヌーボーを打ち出
すワインというのもなかなか珍しい。
解禁日の11月11日もスペインはかなりアバ
ウトだと思うし、笑。
名称 : Trossos tinto 2009
品種 : Garnacha 100%
産地 : DO Montsant
生産者 : Portal del Priorat
今日のピカイチの赤。
建築家アルフレード・アリーバス
氏が2007を初ビンテージとして造
る希少赤。
マグナムで300本、750mlでも
1000本ちょっと。
セレクシオン・マッサールでフィロ
キセラ以前の自根の古いブドウ樹か
ら株を増やし最良質のブドウのみで
造るガルナッチャ。
フレンチオーク樽で12か月熟成。
色が淡く、ピノ的な香りで、味わいは凝縮度があって素晴らしい。
ローマ字の「C」という形の産地で、北から南と距離もあり、土壌も気候も多様で、
これからも様々なスタイルの良いワインが造られていくのでは、と楽しみな産地だ。
サンタ・カテリーナ市場はいつ来ても楽しい♪
家の近くにあったらもっと料理する意欲が湧くんだけど、笑。
美味しいチーズを購入しておうちでモンサンワインと楽しもう。