DO MONTERREIの最近のブログ記事

ガリシアにある5つのDOのうち、DO Monterrei(モンテレイ)は、ガリシア州の最も
内陸部、オーレンセ県の南部、ポルトガルとの国境に接する地域で、この以前は忘れ
られていた地域が俄かに注目を集めている。その注目の真ん中にいるのがオーナー、
Jose Luis Mateo氏、そして共に栽培・醸造を手がけるRaúl Perezが率いるワイナリー
Bodegas Quinta da Muradellaだ!

Quinta do Muradella 002
ラウル・ペレス氏(左)とホセ・ルイス・マテオ氏(右)

その生産量の少なさ、品質の高さ、注目度の高さ、はっきり言ってスペインでもなか
なか手に入らない。バルセロナというワインが手に入りやすい大都市に住んでいても、だ。
大きなワイン屋も店頭に置く前から売り先が決まっている、ディストリビューターに
問い合わせても、売り切れ、次の入荷は全くわからない。そんな有様。
でもそんなワインが日本で手に入るというからまたびっくり!(文末参照)

このワイナリーのワイン、ラウル・ペレス氏のワインをもっと飲んでみたいと思ったのは、
去年の10月の試飲会で、Gorviaシリーズを飲んだ時から。その完成度の高さ、エレガ
ントさに初めてモンテレイのワインを飲んだ私は、パンチを食らったようだった。

彼らのワインを求めるも、手に入らず、、そんな折、 Vila Viniteca がこのワイナリーの
試飲会をやってくれたのだ!

DO Monterreiは1994年にDO認定、潜在的にある畑面積は3000haだが、実際に栽培
されているのは600〜700ha。それでも4年前の6ワイナリーから現在は24ワイナリーに
増え、成長している。ドゥエロ川の直接の支流であるタメガ(Tamega)川が縦断し、山に
囲まれ谷間を作り、その斜面に畑が広がる。かなり急な斜面で、作業は全て手による。
機械も動物も入り込めないほどの急斜面で、厳しい環境なのだそうだ!

そんな土地で1993年に創業し、家族経営のワイナリー、Quinta da Muradella。
その土地、品種を知りつくしワイン造りを続けるホセ・ルイスさんに、ここだと見定めた
様々な地域でワイン造りをする天才若手醸造家、ラウル・ペレスさんが2000年から
加わって共にワインを造っている。
34区画に細分化された24haの畑のうち14haは自社畑。標高360mから900mほどと
全ての畑はガリシア有機農業統制委員会(Craega : Consejo Regulador de
Agricultura Ecologica de Galicia)より認証された有機栽培の畑。
白ブドウはドニャ・ブランカ、ゴデージョ、トレイシャドゥラなど、黒ブドウはメンシア、バス
タルド、カイニョ・レドンド、カイニョ・ロンゴなど、この土地固有の品種が多く栽培される。

今回の試飲会ではワイナリーのほとんどのワインを試飲させてくれた。

quinta2.jpg

Quinta da Muradella Alanda Blanco 2007
Quinta da Muradella Alanda Tinto 2006
Gorvia Blanco 2007
Gorvia Tinto 2005
Quinta da Muradella Bastardo 2005
Quinta da Muradella Finca Notario 2005
A Trabe 2005

どれもこれも、完成度が非常に高く、ひとつひとつに個性が際立って素晴らしかった。

Quinta do Muradella 006
名称 : Gorvia Tinto 2005
品種 : Mencía 90%, Bastardo 5%, Caiño redondo 5%
産地 : DO Monterrei
生産者 : Bodega Quinta da Muradella

一番気に入ったのがこれ。Gorviaの畑からの単一畑のワイン。
南向きの緩い斜面の畑。粘土質、片岩粘板岩質(スレート)土壌。標高420m。
樹齢15年。樽熟14ヶ月(新樽比率約30%)。
赤果実、ハーブ系、チョコの香り、酸とのバランスが素晴らしく、爽やかな味わい。
ブルゴーニュ系のエレガンス。
生産量は3000本ととても少ない。

Quinta do Muradella 001
名称 : A Trabe 2005
品種 : Zamarrica 40%, Bastardo 30%, Verdello tinto 10%, Mencia 10%,
Tinto Serodio 5%, Garnacha tintorera y otras 5%
産地 : DO Monterrei
生産者 : Bodega Quinta da Muradella

ラウル・ペレス氏の赤。さすがです。標高800mの高い畑、スレート状の土壌。
熟すのが難しい環境。プロジェクトが始まって5年になるが、ワインが出せたのは2005、
2006のみだったということでその厳しさがうかがえる。樹齢100年以上のブドウ樹から。
生産量200本!!ほんっとに少ないのだ!

quinta1.jpg
BrancellaoとSousonという品種でもワインを新たに造っているそうで、樽からのサン
プルを試飲させてくれた。これらもすごく楽しみな赤だ。

今回、ラウル・ペレスという醸造家を少しの時間だけど近くで話を聞いたりすることが
できたのだけど、「異端児」「天才醸造家」と呼ばれている所以が少しわかった気がした。
多分私と同じくらいの年なのだろう、小柄でしっかりと空を見据える目が印象的。
ラウルはチャレンジの人・好きなことに忠実な人だ。難しいこと、誰もやっていないこと
に関心が行き、それができてしまうのだと思う。だから、既成の概念、ルールは彼には
存在しない。ワイン造りのための設備は最小限でいい。
普通に使われている発酵前の冷却装置など昔はなくてもできていたのだから、なしで
できるはず。設備に頼りすぎるワイン造りについて、試飲会に来ていた他のワイナリーの
人たちと意見を異にして、議論を交わしていた。
ラウルは樽を操る天才だそうだ。果梗を除かずに醸造することに狂ったような情熱を注ぐ。
果梗と共に醸造するとベジタルな味わいが突出してしまったり、すごく難しいのに彼は
それをやってのける。
ほんとにすごい人なんだ!

そして、冒頭にも書いたけど、これらのほとんどお目にかかることのできない、ラウル・
ペレスが手がけるワインたちが日本でも楽しめるのだ!

ワイナリー和泉屋さんが扱っている。
入荷はまだのようだけど、チェックしておくといいと思う。
(→ コメント欄にワイナリー和泉屋さんの新井社長より、詳細入荷情報が
  ありますので、参照下さい!)
本当に素晴らしいワインたちで、飲む価値大だ。
スペインの新たな魅力感じられるワインたち。
ワイナリー和泉屋さんは世界中の魅力的なワインを扱われているが、近年スペイン
ワインの取扱い数をどんどん増やしており、コストパフォーマンスの高い良品を多く
紹介している。新井社長が経営される池袋にあるワインバー エスペルトも、そこでしか
楽しめないハイクオリティなスペインワインを多く楽しむことができる。
日本に住んでいたら、きっといりびたるだろう(笑)。

ワイン通販サイト、ワイナリー和泉屋は、フランスやイタリアを始め、おいしいワインを販売します

品種、畑ごとに別々に醸造、適性によって、ステンレス、樽などを使い分ける、
樹や品種の特性、個性を最大限に尊重した醸造を目指す。
特に、発展途上のこのDOのような土地では、自分達の力で答えを一つずつ見つけ
だしていかなければならないから本当に難しいことだと思う。
自然との対話。農業って本当にすごい。
そしてその自然と人の手とが完全なる調和を見せる時、ラウル・ペレスのワインの
ような大作ができあがるのだろう。