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イベリア半島から遠く離れたカナリア諸島、北半球のワイン産地として

最南端に位置するであろう島々。

ヨーロッパ中から太陽を求めてバケーションにやってくる個性豊かな島々。


常春のイメージがある場所だけど、それが全てではなく、場所によって

全く異なる気候条件がある。

大きな火山が形成する、緑豊かでカナリア諸島で最も美しい島といわれる

ラ・パルマ島。


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大気が安定し、光学・赤外線

観測に適しているため、北半

球有数の天文観測施設が集ま

り、島の3分の2がユネスコに

より生物圏保護区に指定、空

気が澄み、光害対策も取られ

無数の星が夜空に輝き天体観

測に適した島。






その、ラ・パルマ島南部の標高 700 mの地にボデガを構える

マティアス・イ・トーレス


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1885 年からブドウ栽培・ワイン

造りを続けてきたトーレス家の 

5 代目にあたる造り手、ビクトリア。


テネリフェの大学でアートを学び、

2005年に故郷に戻り、ワイン造りに

勤しんだ父親と畑に出るようになり、

ワイン造りに魅了され、2010 年に

本格的にワイン造りを始める。







昨年父親を亡くし、悲しみを乗り越え、1人で畑やワイン造りに

向き合うビクトリア。

彼女にとって、受け継がれた畑やワイン造りは、家族が代々繋いできた

宝物で、それを守ること、自然への慈しみ、


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「Pequeñas Cosas Significantes (= Small significant things) 

小さいけど大事なことたち


と表現する彼女の合言葉には、彼女の繊細さ、細やかさ、優しさ、誠実さ、

真摯さ、前を見つめつづける芯の強さ、滋味深さ、凛とした静けさを

たたえる彼女の人柄が表れており、その人柄がワインにも一貫して感じら

れる気がするのだ。

                 

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火山性土壌のラ・パルマ島、


湿り気のある東風(アリシオ)が水分

もたし、粘土やロームも混ざる肥

沃さのある土壌の東部、


風化した火山灰が表を覆い、非常に

痩せた土壌で冷たさのある西風の影響

を受ける西部・南部


そして


雨が比較的多い風化した火山性土壌の

標高 500〜1400mの間に自社・契約

畑が点在している。


3.80 ha 9 区画、周りが森など

隔離された場所にある畑が多い。



フィロキセラが到達しなかったカナリア諸島、島すべてのブドウ樹が

ピエ・フランコ(自根)で、非常に古い樹齢の畑が多く、ビクトリ

アの畑は約 4,000 kg/haと低収量。


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ラ・パルマの主要品種リスタン・ブランコやネグラモル、そして

アルビーリョ・クリオリョ、マルバシア・アロマティカ、ビハリエゴ

などの品種を栽培、最低限の硫黄撒布以外は一切農薬を使用せず、

イラクサや乳清を煎じた希釈水などビオディナミ農法を思慮深く

取り入れ、自然をリスペクトした栽培。ドライファーミング、動物

対策の柵を張ったりなども、しない

共存を大事に。

                  

単一品種で白ワイン、赤ワインを数アイテム造る。

ビクトリアの畑は高標高が多く、海からの風と高地のおかげで涼やかさを

感じ、フレッシュで、穏やかかつ優しい酸が感じられ、大西洋的なワイン。


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名称 : Las Machuqueras 2014

品種 : Listan Blanco 100%

産地 : DO La Palma

生産者 : Matías i Torres


ラス・マチュケラス

島南部にある、標高 550 m ほどの斜面の畑。

(上の写真の畑がそうです)

風化した火山質土壌が表土を覆い、1.5 mほど

地下に火山岩が横たわる。


ビハリエゴ、リスタン・ブランコ、

マルバシア・アロマティカ、アルビー

リョ・クリオリョ

様々な土着品種で香りの主張の強さで言えば

リスタン・ブランコが横綱だろう。


オレンジピール的心地よい苦みにほんの

塩気。ジャスミンもほのかに。

細く長い。滋味滋味呑んでいたい。



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名称 : Negramoll 2014

品種 : Negramoll 100%

産地 : DO La Palma

生産者 : Matías i Torres


南部・東部の痩せた火山性土壌と北西部のより浸食

された火山灰・岩と粘土、砂、泥土が混ざったより

肥沃な土壌の標高300〜1400mに位置する複数の

区画からのネグラモル。

平均樹齢50年(自根)。

半分を全房で。木桶とステンレスでアルコール発酵、

フレンチ&アメリカン古オークで寝かせる。




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北西部標高1000mのネグラモル畑。

果皮が薄くタンニンが穏やか、スモモやカシ

スなど赤果実、大西洋の冷涼さと温かさの

両方を感じ取れる赤。

繊細でエレガントなワイン。


樹勢が強いため、枝を長く伸ばし地面に這わ

せ、収量を高める栽培方法が伝統だが、ビク

トリアは逆に枝をより短く、幹から離れ過ぎ

た新梢を減らし、よりバランスの取れたブド

ウを得る考え。


ラ・パルマで一番ポテンシャルを感じる

黒ブドウ。







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ビクトリアのお爺さんが建てた醸造所。ラガールという古代ローマ人が考案

したであろうという木製の大きな桶にブドウを全房入れ、足で踏み、発酵、

マセラシオンをする。とても古い代物。

それに数十年使われてきた栗樽やアメリカンオーク、フレンチオーク。


人為的介入はほとんどせず、温度管理なし、抽出はせず煎じる、フィルター

なし、古樽で、静かに。


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大航海時代に新大陸への中継地として使わ

れたカナリア諸島。ブドウ・ワイン造りも

その頃もたらされ、500年以上連綿と行わ

れてきたが、多くのブドウ畑が採算性の

高いバナナ園へと替わっていった。


1960、70年代、人々は貧しく、細々と農業を

営んでいたが、近代化の波に乗り、親は子供

たちに大変な農業を継ぐより他の仕事に就き

豊かになって欲しかった。

ビクトリアの世代は多くが島を出、他の島や

本土で勉学についた。

ビクトリアもテネリフェ島の大学でアートを

勉強、多くの年月を外で生活した1人。

7年前にラ・パルマに戻りお父さんのブドウ

栽培やワイン造りを手伝うようになる。




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価格的競争力のないラ・パルマのワインが売れなくなり、外を向いたファ

インワインを造る方向への転換をビクトリアが決める。


お父さんは、応援してくれた。


ラ・パルマ島にある約 20 社ほどの生産者で最も小規模で、1人で全てを

こなすビクトリア。

新たな思いで、少しずつ前進している。

世界No.1になったミシュラン3つ星レストラン カン・ロカの有名ソム

リエも秘蔵ワインとして彼女のワインを扱うなど、国内外でラ・パルマの

存在感をキラ星のごとく放ち始めている。


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ネグラモル、収穫が終わった頃。


紅葉の赤ともとの緑がこんなにキレイにまだらに

なっている葉ってあまり見たことがない。


10月末。肌寒く、凛とした空気。

常春などというイメージからはほど遠い。


満点の星が、今日も空に輝く。