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「シャピオン キュヴェ・アルモニエ」

ワイン・アドボケイト # 181 (2009年2月) にて、 最高の掘り出し物の1本として
絶賛、ジェイ・ミラー氏が90+ポイントを付けた新星、気になっていた。
アラゴン県、昨年万博が開催されたサラゴサ市から南西に80kmほどにあるDOカラタユ。
その産地で造られる赤ワインだ。
品種は、プティ・ヴェルドとタナ、南仏の品種たちだ。
小規模生産者の輸出コンサルタントとして活躍するフランス人、シャピオン氏が
カラタユの家族経営ワイナリー、ボデガ・エルマノス・ランガと共に造るワインだ。

シャピオン氏は、トゥールス市生まれ、叔父が醸造家であったことから、ワイン歴は長い。
14年前に来西。スペイン人の奥様がいて、スペインをこよなく愛する。
コンサルをしながら自身でもワインを造り始めたその第一号がこの「キュヴェ・アルモニエ」。

名称 : Chapillon Cuvée Harmonie 2006
品種 : Petit Verdot 90%, Tannat 10%
産地 : Calatayud, Aragon
生産者 : Bodegas Hermanos Langa

フレンチオーク樽で10ヶ月樽熟。
黒果味、酸、タンニン、樽、全てにおいて、バランスがとても良く、フランス
の品種でも、スペインならではの熟成感が感じられ、かつとてもエレガント。

エチケットもステキだ!
ワインのコンセプト「ハーモニー」に通じる音楽の調和。
偉大な印象派のフランス人作曲家モーリス・ラヴェル氏の「ソナチネ」の楽譜が
描かれているのだそうだ。赤色の音符は、ブドウの実をイメージ、一粒ずつが
調和してできるワインと音楽を重ねた。

1880年代からワインを作り続ける家族経営のワイナリー、エルマノス・ランガ。
共同組合がほとんどのカラタユでは、家族経営のワイナリーがここが唯一だとか。
5代目になるセサル氏が、お兄さんと兄弟二人で運営する。

シャピヨン氏(左)、ランガ氏(右)
シャピヨン氏(左)、セサル・ランガ氏(右)
プティ・ヴェルド、タナが栽培される、標高700mの畑。

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カラタユ地方は、システマ・イベリコ(Sistema Iberico)と呼ばれるイベリコ山地が
北部に走り、平均標高540mとスペインで最も高いことはあまり知られていない。

赤珪岩質の土壌
土壌はとにかく様々。
とても赤い、少し紫がかった色をした粘板岩、赤珪岩(cuarcita roja)というのだそうだ。
手に取ると、とてももろく、すぐ崩れる岩。そのため、根っこが地中深く伸びる。

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石ころの多い畑。
太陽の光と、石が温度を保って夜も温めてくれたり、石に反射した光がブドウ樹に
当たる、ダブル熟成の効果がある。

標高700mほどの畑
またここの畑は、一年中風が吹いている。
遠くに見える(既に雪がかぶっていた)モンカヨ山から(北西)の風が吹き、
ブドウ樹を乾かしてくれ、ベト病などから防いでくれる。
この恵まれた環境で、有機栽培が可能になる。

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樹齢60〜70年のガルナッチャの古いブドウ樹も。
ガルナッチャは、もともと、イタリアのある村名「ガルナシャ」から来ている。
昔、アラゴン王国がイタリアを征服していた時に、その村のブドウを持ち帰り、
植えたのが始まりだそうだ。その証拠に、ガルナッチャ種が固有品種として
多く栽培されている地域は昔のアラゴン王国の地域と重なるようにしてある。
面白い!そうだったんだぁ。

ワイナリー
ボデガス・ランガは、自社ブランドでも固有品種ガルナッチャや、外来品種を
使って、様々な良質なワインを造る。
エコロヒコのワインを造ったり、タナなどの新品種を栽培したり、様々な試みを
するチャレンジ精神のあるワイナリーだ。

同じガルナッチャでも、近くのカンポ・デ・ボルハ、カリニェナとはまた特徴を
異にするカラタユ。興味深い地域だ。

カラタユ、というか、アラゴン地方で有名な料理にテルナスコがある。
乳飲み子羊の料理で、アラゴンの中でも様々な羊がいて、カラタユの羊は
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Roya Biblitana という羊。
この種の生後2,3ヶ月のミルクだけ飲んでる子羊。

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じゃがいもと一緒にオーブン焼きにしたりしていただく。
くせがなく、口の中でほろほろ崩れる柔らかいお肉、この土地のガルナッチャと
いただいてみたいものだ!