ポルトガル PORTUGALの最近のブログ記事

同じイベリア半島、スペインのお隣の国、ポルトガル。
同じ河が2つの国を流れる。
その1つ、ドゥエロ河(スペイン)とドウロ河(ポルトガル)。
同じ河沿いで、国が違えば造られるワインも文化もまた違う。

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ドゥエロ河はソリアを水源とし、ブルゴス県、バリャドリッド県、サモーラ県、
ラマンカ県と流れポルトガルに入る。
ソリアでは標高1100mの地から始まり、リベラ・デル・ドゥエロのあるアラン
ダ・デル・ドゥエロは標高900mほど、サモーラでは800m、そして標高が下がっ
ていき、ポルトガルに入り、ドウロでは300mほどだ。

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この夏、初めてドウロを訪れた。
ドウロでは山々の谷間を蛇行し、
の両岸の急斜面でブドウが栽培
される。起伏に富み、多くの谷や
川(支流)に囲まれた山岳地帯。
ドウロ河口にある街ポルトで造
れるポートワイン。でも原料の
ドウはそこから内陸に100㎞ほ
どの場所にある銘醸地ドウロだ。
現在はワイナリーが多く見られる
が、90年代までは生産者はドウ
ロにはなく、ポルトに醸造所、
庫を持ち、ワイン商がドウロに
やってきてブドウを買い付け醸造
し、樽に入れてドウロ河を船で輸
送し、ポルトで熟成させていた。
今でもドウロの奥に入っていけば
行くほど狭い道路、舗装されていない道が多く、河岸にあるワイナリーに辿り
着くには 4WDでしか行けない恐ろしい山道が多いのだ。。
気候は地中海性気候で非常に温暖。プリオラートに似ている感じだけど、夏は
40℃を超えることも多く、河の湿度もあるため夜も温度が下がらず、昼夜の
温度差が余り大きくない。地形はリベイラ・サクラに似ている。
こうした環境の中、伝統的に酒精強化ワインが造られてきたのは理に適って
いると言える。ただ、ポートは5大生産者が独占的な市場で中小規模の生産者が
入り込む余地がなく、また、近代醸造技術や高標高や南向きの右岸より左岸の
冷涼な場所を見つけこだわりのスティルワインを造る醸造家が90年代から出始め
ポート生産者もスティルワイン(DOCと呼ぶ)を造るようになり、今回のテイス
ティングでもそのクオリティと多様性に驚かされた。

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1756年に世界初のDOに認定され、14世紀か
らのポートワイン造りの歴史が綿々と伝わる
地である。
品種は様々。トゥリガ・ナシオナル、トゥリ
ガ・フランセーザ、ティンタ・ロリス(= リ
オハのテンプラニーリョ)など、伝統的に混
植されてきた。
土壌はシスト(粘板岩)や花崗岩が多い。










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変わってリベラ・デル・ドゥエロ。
ワイン造りの歴史は長くともDO認
定は1988年の比較的新しい産地。
ベガ・シシリアの存在によりファ
インワイン造りが始まる。
1970年代にペスケラやプロトス
が創業し畑が増える。
1980年代にはブドウ栽培農家が
生産者としてワインを造り始める。
1990年代、国際的にリベラが注
目されるようになると生産者数は
一気に増え、国内外の醸造家が気
候や地質のポテンシャルに魅了され
ワイン造りを始め、1990年代は24
社だったのが2010年には230社に増えた。
大陸性気候で夏は暑く冬は非常に寒く昼夜の温度差も大きい。
テンプラニーリョ(ティント・フィノ)主体。石灰質を中心とする土壌で
素晴らしい長熟のポテンシャルあるブドウが得られる。

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バルセロナのワインショップ
ビナコテカで10月にドゥエロと
ドウロの比較ワイン会があった。
計 8 アイテム、それぞれ価格帯や
コンセプトが似たものをペアにし
て計 4 セットを比較。
それぞれの個性や違いが見えて
非常に面白かった。







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例えば、ガレージワインの代表。
ドウロ中央のエリア、シマ・コルゴでホル
ヘ・モレイラが造るポエイラ、
そして
リベラでは最も小規模な造り手の1人で、
ブドウ本来の味わいを表現しようとワイ
ン造りをするゴヨ・ガルシア・ビアデロの
エル・ペルコ。
リベラの中ではこのゴヨ氏が持つ古樹畑が
ある中央部の北ロア近辺、標高 800 ~
900mほどの三角地帯、そして東部のソリ
アの高標高にわずかに残る古樹エリアが非
にポテンシャルがあると思っているけど
このエル・ペルコ、酸がかなり突出して、
アンズや梅のようなニュアンスがするほど。
2009なのにまだ若いじゃじゃ馬的な
相を持ち、エレガントですごいポテンシャ
ル。


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そして、より長熟のポテンシャルがあり深さ
など色んな要素が上質ワインたち。
創業10年で今やリベラ・デル・ドゥエロで偉
大なワインを造るアロンソ・デル・イェロの
トップキュヴェ マリア 2010。
非常にイキイキとしたフレッシュ感、果実の
凝縮感にエレガンス。洗練されたタンニンに
縦の線が一本すーっと。
リベラの新境地。素晴らしい。
ドウロ中心部ピニャンで元ニーポート醸造家
ホルヘ・セロディオが造る。ティンタ・ロリ
ス主体で30品種がブレンドされる。
熟成が良い感じに進んでいて、ミネラルも豊
かで、タンニンも丸く、今飲むなら 2008の
こちらだろう。





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高価格帯の2アイテム。
ブルゴーニュとモーゼルの大ファンで、ドウ
ロでリースリングやピノも栽培するディル
ク・ニーポートが造る Charme。
樹齢70~100年のティンタ・ロリス、トゥリ
ガ・フランセーザなどのブレンド。全房でラ
ガール(石桶)で足踏み、発酵。
赤果実、リキュール、スーボワ、キノコ、
エレガントな赤。
リベラはドミニオ・デ・アタウタの
バルデガティレス 2007 
東部ソリアの高標高、冷涼な地で自根で育つ
古樹のテンプラニーリョ。
2007と6年経っても、まだ石のような硬さ。
すごい長熟のポテンシャルを感じる。
ゆっくりゆっくり眠りから覚めていくの
だろう。好みとしては Charme だけど、
クオリティは断然バルデガティレスだ。


同じ河というだけで、標高も土壌も地形も品種も異なる2つの産地。
比較するものでもないのだろうけど、全く違う個性がありとても楽しかった。
全体的に感じたのはドウロのスティルの方が様々なスタイルがあること。
品種がたくさんあってブレンドによって顔を変えることも可能なのは確か
だけど、フィロソフィー、造り方などの部分で造り手の様々な考え方が多様に
反映されている気がする。リベラ・デル・ドゥエロはクローンの種類もそこ
まで多様性がないのだそう。

それにしても、ポルトガルに行って驚いたこと。
ポルトガル人の語学のセンス!英語とか、発音も含めてとっても上手な人が
多いのにびっくり!同じイベリア半島でスペイン人とほんとに違うな~、笑。
そして、サービス意識のレベルも。お店や宿やどんなところでも笑顔でお客
さんに対応、「オブリガード(ありがとう)」という言葉を何度言われた
ことか。やる気ないの丸見えでぶすーっとしてる店員、いなかった。
日本だと普通だけど、これもスペインとは違うなぁ~、笑。
なんだろね。スペインは歴史的に大国で帝国時代があって、ポルトガルは
小さな国でなにくそ精神で頑張ってきた、そういうところあるんだろうか。
スペインは自らもよく言う
Los españoles se creen que son los mejores sin razón ninguno.
(スペイン人は何の理由もなく自分たちが一番だと思いこんでる)
そこのところの違い、なのかな、、。

ところで、「文化」という言葉。
Culture はラテン語の cultura から来ている。cultura の語幹は colere で
「守る、手入れをする、耕す」という意味。「教育によって知性を育てる」と
いう、より抽象的な意味や、現在の意味に近い文明の知的な側面や人々の生活
様式などを含む意味を持つようになったのは19世紀に入ってからのことなの
だそう。つまり、ルーツは「耕す」= 農業。大地を耕し、大地から得られる
産物への感謝、大地・自然に対するリスペクト。そうしたことが「Culture」の
ルーツ。
お国違えば文化も違う。私たちの体に取り込まれ、命を与えてくれる「食べ
物」をくれる大地。その人間の根本の部分に立ち返ると、それぞれの場所の
個性が見えてくる、というのもうなずける。
その根本の部分に、酒もある。ワインもある。
また来年も色んなことを感じさせてもらいながらワインを楽しんでいけたら
幸せだ。

いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
アップもマイペースですみません。。笑
でも引き続き、ワインの徒然、スペインから書いていきますので、ブログを
通じても皆様とつながれましたら幸せです。

皆様にとりまして来年が健やかで幸多き年となりますよう!

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バルセロナのすぐ北にある街、サン・クガットにある割烹料理屋さんMATSUのオーナー、
松山さんと初めてご一緒したのがきっかけで知った「Dos Palillos」。

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C/ L’Elisabets 9
93-304-0513

去年の4月にバルセロナ旧市街にオープンしたアジアンタパスレストランだ。

今回は旦那を連れて楽しみにきた。
なんといえばいいのか、店内の雰囲気、お料理、流れる空気、お店のスタッフの
方たち、みんなすごく良くて、お気に入りのお店だ。
あのミシュラン3つ星レストラン、エル・ブジのチーフシェフを12年務めた、
アルベルト・ラウリック氏がオープンした新しいコンセプトのお店だ。

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店内はスペインならどこにでもあるような親しみのあるバルと、

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洗練されたアジアを感じさせるオープンキッチンのレストランと二つに分かれている。

Dos Palillosとは、二本の箸、楊枝を意味。アジアの箸、スペインでタパスを
食べる時に使う楊枝、どちらもシンプルでかつモダンなお料理と口の架け橋を
してくれるツール、スペインとアジアの融合がコンセプト。
その通り、こちらの食材を使った本格的なアジア料理がタパス感覚で楽しめるのだ。

バルでもアラカルトでタパスを愉しむことができ、レストランではコース料理を堪能
できる。アルベルトさんの右腕として辣腕をふるうのは、これまたエル・ブジで
シェフを務めていた染川武司さん。スタッフのみなさんから「たけちゃん」って親しく
呼ばれている。彼らの手によって、タパスというスペイン文化、そしてスペインの
食材とアジア料理が融合して、新しいスタイルのタパスが産み出される。
素材にも徹底してこだわり、五感を刺激してくれるお料理たち。

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ナバハ、わざと貝が小さいものを選ぶのだそうだ。実が締まっていて美味しい。
柚子ゼリーとスペインの海草で。なんともステキな爽やかさ。

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トロの手巻き 自分で巻くのがお洒落。
そして少しだけ焙ったトロが、素晴らしく美味しいのだ。。

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そして、当店名物ジャポ・バーガー。
ジューシーなお肉と共に、様々な味わいが口の中に広がる。

それに完璧なまでに花を添えるのが、アルベルトさんのパートナーでもある、
日本人ソムリエ井町珠恵さんが選ぶ飲み物の数々。
繊細の五感の持ち主である珠恵さん、お料理に合うワイン、酒を考え抜いて
選ばれたバラエティ豊かなセレクション。

ステキなアレンテージョの白をいただいた。

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名称 : Esporão Reserva Blanco 2007
品種 : Antão Vaz, Arinto, Roupeiro
産地 : DOC Alentejo, Sub-Região Reguengos, Portugal
生産者 : Herdade do Esporão

1267年、リスボンの南東190kmにあるアレンテージョ地区の最大で最古の
地区であるレゴンゲス・ド・モンサラースで生まれ、約730年の歴史を持つポルト
ガル最古のエステート・ワイナリーのひとつ。

樽香が主張しすぎていず、とても心地よい。パイナップル、パパイヤなどの
トロピカルフルーツのアロマ、イキイキとした酸、淡いライチのような味わい、
バランスよくまとまって、余韻も長い。

お食事と優しく寄り添って、とてもステキだった。

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そして珠恵さんとアルベルトさんの、気さくな明るいお人柄、大好きだ。