地中海が面白い!

このエントリーをはてなブックマークに追加 Check
スクリーンショット 2015-02-22 12.59.19.png

北のワインが好き。

さ、酸、エレガンス。
南の、特に地中海はどうしても暑さを感じたり重かったり。

そういうイメジは、今はもう、捨てている。

ヨーロッパの北の人たちはバカンスになると太陽を求めて南に
移動してくる。強い日差しに慣れていなくて体が真っ赤っかに
なっても構わずビーチで太陽を浴びている。
天気は人間の性格をも左右する。

太陽は、人に心身のエネルギーをくれる。

それは、植物も一緒なのだと思う。

太陽 = 明るい
太陽 = 優しい

そういうのが体に広がる感じ。

最近の地中海のワインにはポジティブにそれを感じる。
人間が自然に太陽を求めるのと同じように。

大なワインは北にこそ。そうされてきた。
でもそのワイン地はどんどんわっている。
南でも素晴らしいワインができる。

それを体現するワインたちがそこここに産まれている。

gxh4C3g43ORkiVEQZM8loj9Y0u_OS5K617Nig6IP30E.jpeg
プリオラートの異端児、テロワール・アル・リミットのドミニク・フー
バーがこの2月の来日時に語ってくれたことや哲学に地中海ワインの
今を読み解くヒントが多くあることを感じた。
彼のコメントのキーとなるメッセージを拾ってみる。

【地中海料理に合うワイン】
地中海料理からワインに魅了されてワイン造りの世界に入ったドイツ人
ドミニクにとって、ワインは食と合わせられることが第一条件。
エル・ブリ、セイェル・カン・ロカなど前衛的な料理が発達したス
インの地中海北カタルーニャ地方は山の幸、海の幸両方に恵まれ、伝統
的に食材を大事にしたシンプルな料理が多い。
地中海料理が全体的にそうなのだ。
そうした料理に合うワインは濃いワインではなく、軽やかでエレガントな
ピュアなワイン、赤よりも白やロゼの方が合わせやすい。
そういう想いからプリオラートで新境地を築き上げた。
プリオラートを含めこれまでの多くの地中海のワインはそれが考慮されずに
造られた濃いワインが多い、とドミニクは考える。

スクリーンショット 2015-02-22 13.36.33.png

大陸性気候産地と地中海性気候産地は全く別の世界だということの認識】
大陸性気候と地中海性気候
ヨーロッパはこの2つに産地が分けられる。
歴史的な銘醸地は北で、醸造技術もボルドーが全ての産地に影響を
与えてきた。

大陸性気候産地は早くから(17世紀半ば)ボトルに入れたワインが
造られるようになった一方、地中海気候産地はもっぱらバルク売りが
中心だった。
プリオラートの濃いアルコール度の高いワインもバルクで大陸性産地に
売られ、不作の年などに少しブレンドする用に売られていた。
もともと地中海側は大きな土地を1人の地主が所有して大量に造る、
いわゆる職人気質でこだわりのワインを造る、というよりは大量に造る、
そういう傾向があった。
フランス(南部)にもイタリアにもスペインにも共同組合は多かった
からクオリティが第一という訳ではなかった。
2030年前から北から若手の造り手たちがやってきて地中海の産地に
魅了され素晴らしいワインを造り始める。

地中海の環境に即したやり方で。

成熟が不足することから抽出を重視し、樽(バリック)で熟成。
日照量が多く雨が少ない地中海は真逆の環境。
北の雨の多い土地で育った木でできた樽(バリック)で寝かせること、
それがどうして地中海性気候のブドウに適するだろうか。
そういう視点でワイン造りをする造り手が南仏やイタリアに現れ
始める。

伝統的に地中海でされてきた全房発酵、
抽出せずにそのまま煎じる造り、
バリックではなく大樽やセメント、アンフォラなどで寝かせる。
北の品種ではなく伝統的に地中海にあった品種で。
太陽があるからこそ健全に成熟するブドウをダイレクトに表現する
ことを重視。

それを追求することで地中海のテロワールを表現することができる。

ドミニクはドメーヌ・ゴビーやマタッサに出会うことで影響を受けた。

スクリーンショット 2015-02-22 14.09.05.png

【地中海性気候の魅力】
雨が少なく日照量が多い地中海。
過度の乾燥や日照はネガティブにも働く。
そうした環境で更に痩せた土地だと厳しさは増す。
しかし、農薬の使用をなくし、自然をリスペクトした環境でのブドウ
栽培は雨の多いエリアよりもやり易いし、土の有機質を豊かにして
生命力を取り戻し、根が栄養を吸収し、樹が有機質を取り入れていけば、
酸や糖の成熟と共にフェノール類も同時期に成熟し、過熟してアルコー
ル度が上がってしまう状態になる前にバランスの取れた成熟が叶う。
そうなると収穫のタイミングも自然と早まる。
そうすれば酸を保ち、北の良さ(冷たさ、エレガンス、酸)を持ち、
同時に北にはない良さ(光)をも持ち合わせるワインが地中海では
でき得る。

自然派の流れに合わせ、それに気づいた造り手たちが様々なエリアで
増えている。

スクリーンショット 2015-02-22 15.48.08.png

【地中海のポテンシャルは黒ブドウより白ブドウ】
白ブドウの方が実は黒ブドウよりも暑さに強い、とドミニクは言う。
多くの場所で赤ワインの方が造られている中、かなり斬新な見方だ。
でもそれはシェリーやマルサラなどのように伝統的に白ブドウのみで
ワイン造りが行われて来た産地が地中海の南に存在することからも
わかる。
酒精強化の例にもあるように白ブドウは黒ブドウと異なり酸化熟成が
ポジティブに働き、ワインに複雑味を表現することができる。

スクリーンショット 2015-02-22 15.34.43.png
スクリーンショット 2015-02-22 15.48.14.pngドミニクのワインはプリオラートの新たなポテンシャルを、そして
地中海ワインの今を、そしてどこか懐かしさを感じさせてくれる。

地中海でこれぞと思うワインたち
(一部まだ飲んでいず、注目しているものも含む)。

スクリーンショット 2015-02-22 20.14.41.png

知らないワインもまだまだたくさん。
ギリシャ、トルコ、グルジア、イスラエル、、地中海はとても広い。

フィロキセラ以前は地中海はあたり一面がブドウ畑だった。
今よりずっとずっとたくさんブドウが栽培されていた。

スクリーンショット 2015-02-22 16.17.09.png
山や丘の斜面は木や草で覆われながらも、昔ブドウを植えるために
作った石塀が連なり、ブドウが植えられていたえる。
ワイン造りが生まれ、古代ロマをて一大文化となった地中海。
志を同じくした造り手たちが国を超えつながり刺激し合い、情報交換・
共有する今の時代、それがうねりとなっていく。

地中海は今まさに最も面白い時代に入っているといえるのではないか。


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.vivaspain.es/mt/mt-tb.cgi/428

コメントする