クロス・レンティスクス 海風と白亜と太陽と。

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海風、白亜と太陽と、地中海の
恵み、そして、マネルのこの笑
顔に映し出される人柄の温かさ、
地元愛、
それがクロス・レンティスクスの
泡には感じられる。
DO ペネデスで造る泡。
敢えてカバは名乗らない。
カバを名乗る名乗らないは重要
じゃない。
彼が信じる泡を造る。
それだけ。

ペネデスを中心とするDOカバは
スペイン 7 か所に点在する特殊なDO。
年間2億本以上が生産され、巨大生産者たちの存在、歴史的にブドウの品質に
こだわってこなかったことから安価でブドウやベースワインを購入し大量に造ら
れるカバが多いのは確かだ。
ブドウ栽培農家も品質を求めようとしても巨大生産者にブドウを廉価で販売
せざるを得ず、必然的に質より量が重視されてきた。

シャンパーニュよりもフランチャコルタよりももっと南に位置するカバのエリア、
ブドウがしっかり成熟するための太陽に恵まれ、色んなヴィンテージをブレンド
しなくても、しかも土着の品種で良い泡ができ得る、その環境を最大限に活か
せばもっと面白いカバがたくさんあるはずなのだ。
泡用のブドウは早めに収穫するからテロワールは反映されにくいかもしれない。
でも、スティル用と比べるから「早い」という感覚になるだけであって、自分が
追求する泡用に理想的な成熟レベルがあり、その適熟時に収穫をすれば、テロワー
ルを表現する泡は造れる。
そう信じて泡造りをしてきたのがこのマネル。

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海沿いから標高 600 m ほどまで
広大に広がるDO ペネデス。
そのうち海沿いの一部にガラフ
自然公園がある。
この一帯は石灰質の岩塊のエリ
アで海に突き出しており、遠い
昔海底だったところ。






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真っ白い母岩が見える場所や
長い時を経て風化し砂状に
なった場所などあるけど、
貝の化石もよく見かけ、石
灰の純度が高いスペインでも
珍しい土壌。

その一部に、畑が僅かにある。
2001年頃自然公園に指定され
開拓や建設が禁止される前か
らあった畑たちだ。

カン・ラモン_14世紀からの邸宅が醸造所の一部.JPG

マネルのアヴィニョ家はこのガ
ラフの土地で代々ブドウ栽培農
家として生きてきた。
3代目のマネルとジョアン兄弟
は、ブドウ販売ではなく、自分
たちでワインを造ろうと 2001
年、クロス・レンティスクスを
起ち上げる。
14世紀からのアヴィニョ家代々
のマシア(カタルーニャ農家の
伝統的な邸宅)に併設して小さ
な醸造所を造る。


マネルは17年間カバワイナリーで醸造家としての経験をもとに、自分が生まれ
育ったエリアで、このエリアでずっと栽培されてきた土着品種で瓶内二次発酵の
泡を造り始めた。
チャレッロ、チャレッロ・ベルメイ、マルバシア・デ・シッチェス、スモイなど。
DOカバでは認可されていなかった品種もあったから DO ペネデスで。

「昔(フィロキセラ以前)はここらへん一帯みんなブドウ畑だったよ。
 その後カバ用に 3 品種(チャレッロ、パレリャーダ、マカベオ)への植え替えが
 奨励されるようになるまでは、このエリアにはマルバシア・デ・シッチェスや
 スモイがたくさん植えられていたんだ。」

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1939 年にマネルのひいおじいちゃんが植え
たスモイやチャレッロの細分化された区画。
それらが敷地内にある森林に囲まれるように
広がり、周囲の畑から独立している。
緩やかな斜面に畑があり、海からの風を直
接受ける。

自然をリスペクトした栽培を、と地元で放
牧されている羊などの糞を堆肥として使用
したり、地元に育つハーブを煎じたものを
稀釈して撒布したり。

平均収量は3500〜4000kg/ha と低収量
(DOペネデス規定の白ブドウ最大収量は
12,000 kg/ha)。
泡は 35,000 本ほどと非常に小規模。
野生酵母のみで醸造、その澱の一部を冷凍
保存し、解凍して瓶内二次発酵時に添加する
ほどの徹底ぶり。動瓶は全て手作業、SO2
無添加で非常にきれいな泡ができる。




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名称: Clos Lentiscus Blanc Brut Nature
品種 :Xarel.lo 75%, Malvasía de Sitges 25%
産地: DO Penedès
生産者:Clos Lentiscus

平均樹齢10年のチャレッロとマルバシア・デ・
シッチェス、瓶内熟成 20 ヶ月以上。
エントリーレベルでこの泡の細やかさ、繊細さ
そして快活なトロピカルフルーツやオレンジの
花、クロス・レンティスクスの泡全てに共通
するミネラルが背筋を伸ばしてくれる。
ドサージュなしで果実の旨味だけ。






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名称: Clos Lentiscus Sumoll Reserva Familia
                  Blanc de Noirs  Brut Nature
品種 :Sumoll 100%
産地: DO Penedès
生産者:Clos Lentiscus

野イチゴや森の果実など繊細かつ力強い味わいに
酸やミネラルが骨格を形成し、細い繊細なニュ
アンスが複雑に絡み合う。
瓶内熟成 30 ヶ月以上。
大ぶりのワイングラスでも飲みたくなる。
非常に五感に訴えかけてくれる泡。
スモイという品種の繊細な果実味やテンションを
表現している。




「このあたりには古代ローマの道が残っているんだ。」
「古代ローマの人たちがアンフォラでワイン造りをしていたその歴史や伝統を
大事にしたい。」

地中海の自然、古代ローマ、ギリシャの人々が連綿と広げてきたワイン文化を
リスペクトし、現代を生きるマネルなりに表現することを追求。

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レンティスクスとは敷地内に生育するレンティスコという樹齢 1000 年以上の
灌木のこと。灌木にも関わらず、大木に育ったという珍しい木。
近くに水脈があると育つこの灌木は古代ローマ人が定住地を探すために目印と
してきたそう。定住しながら彼らもこの地でワイン造りをしていただろう。
ワイン造りの歴史の重みを感じさせてくれる。

レコルタン・マニピュランの泡の小規模生産者、生産本数が少ないから
そんなに知られても困るけど、果実のパワー、テロワールを感じることが
できる、こういう泡がスペインにもあること、もっと知られるべきだ。




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