世界を旅する。 - リースリング -

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「リースリングは冷涼な気候が必須で、加えて気
候や土壌をものすごく反映する品種です。
ワインは飲むタイミングによっていくつもに顔を
変え、非常にダイナミックな品種でそれがリース
リングをテイスティングする難しさでもあります。
化学的見地からしてもあらゆる品種の中でリース
リングが最も複雑で素晴らしく、学者にとっては
たまらない品種です。」

こんなコメントができるのはかなりの学者肌な方、

そう、ラウル・ボベ氏(笑)

リースリングはスペインではなかなか良いものが
できない。でもラウルさんが 1000 m の地で造
るリースリング、別格だ。



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「リースリングという品種に対す
る研究は実に30年前から行われて
いて、ドイツ人らしく非常に深い
研究がされてきています。既に60
種以上のクローンが解されており、
綿密な研究報告が多くされていま
す。テンプラニーリョなどスペイ
ン品種はそういう研究まだまだ不
足してますよ~。」

と目を輝かせて語るラウルさん、笑。



テイスティングしたのは
1. Henschke   Eden Valley (Australia), Julius 2011
2. Pichler F.X. Wachau (Austria)  Federspiel Burgstall 2011
3. Domaine Alice Hartmann, Moselle Luxembourgeoise (Luxembourg)
                   Wormeldange Koeppchen "Les Terrasses" 2011
4. Craggy Range, Martinborough (New-Zealand)  Te Muna 2011
5. Marcel Deiss, Alsace (France), 2010
6. Plantagenet, Great Southern (Australia), 2010
7. Ste Michelle & Dr. Loosen, Columbia Valley (USA)  Eroica 2010
8. Castell d'Encus, Costers del Segre (Spain), Ekam 2010
9. Bassermann-Jordan, Pfalz (Germany)  Forster Freundstück 2008
10. Elena Walch, Alto Adige/Südtiroler (Italy) Castel Ringberg 2008
11. Villa Maria, Marlborough (New-Zealand)  Cellar Selection 2008
12. Markus Molitor, Mosel-Saar-Ruwer (Germany) 
                                Zeltinger Sonnenuhr Spätlese Trocken 2007

リースリングは貴腐を使っているか使っていないか、残糖レベルの違いに
よってスタイルも多様化する。
すごく印象に残ったワインはドイツが揃った。

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名称 : Forster Freundstück 2008
品種 : Riesling 100%
産地 : Pfalz, Germany
生産者 : Bassermann-Jordan

ドイツを代表する生産者バッサーマン・ヨル
ダンのフォルスター村のリースリング。
残糖 15 g/L
ハチミツ、滑らかさ、複雑味、ミネラル、
すごくエレガント。若い時はとても閉じてい
ただろう、5 年経ったからこそのこの素晴ら
しい味わい。とても深い。





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名称 : Zeltinger Sonnenuhr 2007
品種 : Riesling 100%
産地 : Mosel-Saar-Ruwer, Germany
生産者 : Markus Molitor

こちらも非常にリスペクトされている造り手
の一つ、マルクス・モリトール。
貴腐ブドウの一部使用や澱で寝かせることが
主だったこれまでもリースリングのワイン造
りに反旗をひるがえし、テロワールを表現す
ることに集中した造り手。

柑橘系、リンゴ、フローラル、果実の凝縮感、
複雑味、繊細。こういうリースリングはすご
く好き。



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そして、ラウル・ボベさんのリースリング

名称 : Ekam 2010
品種 : Riesling 100%
産地 : Costers del Segre
生産者 : Castell d'Encus

ピレネー前山標高 1000 mの地で造るリース
リング。柑橘など厚みがある味わいで酸がと
ても際立っている。香りの表現は少し控えめ
なのは、この年まで雹害の影響を大きく受け
ているためブドウの成熟に難しさがあったそ
う。でも酸の存在感は素晴らしく長熟のポテ
シャルがすごい。



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それに比べて 2011 はネットを
使った雹害対策により、よりボ
リューミーで、フルーティ、
とのバランスもとれて重心は
2010より低め。

スペインでここまでのリースリ
グは、本当にすごい。

雪深い厳しい環境で栽培される。




ニューワールドのワインは、酸度、pH、残糖のデータ上でのバランス、完成度の
高さを追及してキッチンで料理をするような感じで造っているのが多いよう。
そして確かにぺトロール香をニューワールドのワインに感じやすい。

「ブドウの果皮に生成されたカロチノイドの分解によって生じる TDN という
物質がぺトロール香の正体ですが、ブドウの成熟レベルが高くて果皮が厚い、
水ストレスが高い乾燥した産地、温暖な向きの畑などは濃度が上がる条件と
なるためです。」
とラウルさん。

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ラウルさんが依頼したリースリン
グコレクションはスペインでは手
に入らない代物ばかりで(笑)
モンビニのイサベルさんが世界中
からこの日のために集めてくれた
ものばかり。
本当に面白いリースリングの旅
だった。

ところで、ヴィノテーク誌など様々
なメディアにドイツワインを主に
寄稿されているワインライターさ
ん北嶋裕さんのリースリング考、非
常に興味深いので関心ありました
ら、是非。