クラシック?モダン?は邪道!何でもありのモザイクなリオハ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Check
9 月にリオハに久しぶりに行く機会があった。
リオハを代表する 4 ワイナリーを訪問させてもらい、またリオハに対する認識を
新たにすることができた。

リオハはよく「クラシック」か「モダン」か、とスタイルを分ける。

クラシック  -  古いアメリカンオーク大樽で長期間熟成
       レセルバ、グラン・レセルバなどでカテゴリー分け
モダン  -  ステンレスタンクで醸造、温度管理、フレンチオーク小樽で熟成

でもそれは邪道。
そんなはっきりと分けることはできないし、その間ともいえるスタイルも存在
するし、この分け方は醸造の部分しかなく、栽培の面では何も区別されていないし、
この生産者はクラシック、この生産者はモダン、と分けること自体が愚問とも
いえるとにかく様々なスタイルがリオハには、ある。
その当たり前のことがリオハではあまり当たり前に見なされていない気がする。

結局は、生産者、なのだ。

DSC04997.JPG

フレンチオーク小樽で熟成するい
わゆるモダンリオハの代表。
リオハ・アルタに位置するワイナ
リー。伝統も大事に、歴史的にワ
イナリーが集中していたアロ駅周
辺のエブロ川沿いにワイナリーを
建設。
リオハは、リオハというブランドを
重視したため、毎年の品質安定を
図り、3 つのエリアに分かれるリオ
ハの様々な畑のブドウを混ぜて醸造
するのが普通。
いわゆるモダンリオハの中にも、
そういう生産者は多い。
しかし、ロダは、古樹の素晴らしい畑や様々な異なる環境の畑を厳選し所有、
有機栽培、それぞれの区画の違いを大事にテロワールを表現するワイン造りをする。 

DSC05000.JPG

とても深い地下セラーでワインが眠る。

徹底した畑の管理や最先端の醸造技術と
設備を駆使、トップキュヴェ シルシオンは
最高な品質の時のみリリースされる。

タンニンに甘みがあって樽が主張し過ぎず
果実味豊か、複雑味、エレガンス。
良質なブドウのクオリティを感じるワイン
たちだ。










DSC05020.JPG

ビニャ・トンドニアで知られる。
1877 年の創業以来、当時からの
方を今日まで受け継ぎ貫いて
いる。
様々な変化を生きてきたリオハの
中で頑なに守る伝統。潔い。

・アメリカンオーク古樽での発酵
 熟成
・リオハ中の区画をブレンドしま
 くるのが当たり前のクラシック
 生産者の中で初めから単一区画
 にこだわって造る数少ない生産
 者の一つ

DSC05035.JPG

・「一つの区画からは一つのワイ
 ンを」がコンセプト。テロワー
 ルの徹底的な表現を重視するた
 め、グラン・レセルバ以外のワ
 インはビンテージによる変化は
 重視せず、その年年の変化に影
 響されないようリザーブワイン
 を一部添加することを公言。
・古いアメリカンオーク大樽で長
 期間熟成する白・ロゼも造る。





スペインで最も高品質ワイン造りの歴史が長い産地、リオハ。それでもまだまだテロ
ワールが持つポテンシャルを表現し切っていない生産者が大部分でもっともっと発展
していかなければならない、志を高くもたなければならない。
これからリオハはもっと面白くなっていくだろうか。
そんな問いに期待を持って Yes と答えたくなるような生産者がこのペドロ・バルダ。

DSC05053.JPG
ワイナリーとはいえない自分のた
めだけに造っているかのような超
小規模で、リオハのログローニョ
大学でブドウ栽培学を教える傍ら
代々受け継がれてきたバルダ家の
畑のなかから最高の区画を譲り受
けて最高のワイン造りを目指す。
まだ若干 30 歳。
様々な国での経験をもとに地元に
戻り、リオハの中でも高品質ブド
ウができるサン・ビセンテ・デ
ル・ソンシエラの恵まれた環境に
ある畑、平均樹齢 70 年のテンプ
ラニーリョ、超低収量で、生態系
を大事にする栽培法で、そして酵
素も酵母も SO2 も無添加で造る。

低密なテンプラニーリョの房.JPG

ブドウの純粋さをワインで表現したい。SO2 
無添加でも素晴らしいワインができることを
証明したい。今までのリオハのどれとも違う
ブドウの高いクオリティをしっかり感じられ
るエレガントで緻密で、そしてフレッシュさ
や深さがあるテンプラニーリョ。

ブドウのつるを見ればその樹がどんな風に成
長したかがわかる、と目を輝かせて説明して
くれて。粒全体に日照が当たり湿気を溜めに
くい低密の房を特に選ぶそう。
畑と会話して良いワインを造ろうという姿勢
は素晴らしく、これから彼の今後もとても
楽しみだ。




④ アベル・メンドーサ・モンヘ

DSC05094.JPG

1988 年創業。
リオハのワイナリーの中でいわゆるブルゴーニュの
ヴィニェロンに最も近く高い評価を得ている生産者。
17 Km ほどの中で 36 もの様々な土壌や環境が異な
る小さな区画の一つ一つを大事に有機農法で育てる。
それぞれが醸造家、ブドウ栽培農家出のアベルさん
とマイテさん夫妻。2 人でほとんどの作業をし、
「ブドウ樹を理解する」ことに最大の情熱を注ぐ。

リオハには 18 世紀頃には固有品種が 90 品種ほど
存在したという。
それが、栽培しやすいテンプラニーリョにとって
かわられ、絶滅したり、その危機に瀕する品種がリ
オハにも多くあるのだ。
現在確認されている固有品種は 15 品種ほど。

abel.jpg


アベル・メンドーサの夫妻は古樹からマッサール・
セレクションをし、マルバシア・リオハナ、トゥル
ンテス(ガリシアのトロンテスとは異なる)、テン
プラニーリョ・ブランコなどを復活させている。

この小さな生産者は、国内でも国外でも余り知られ
ていない存在だけど、テロワールに即したワイン造
り、彼らの哲学、情熱、ワインのクオリティから
必ず知らなければいけない生産者の一つだ。

ジャン・レノに似てるアベルさん、笑
とっても気さくなお二人。








産地ごとに傾向があって、それが一括りに語られることはある程度しょうがない。
生産者一つ一つを理解するの大変なこと。
だけど、だからこそ、あまり情報に頼らず、出会うワイン一本一本の液体を
素直に感じようとする姿勢が大事なんだと思う。

これらの生産者を訪問させていただく機会を得た K ご夫妻にも心から感謝。
バルセロナの娘より。

rioja.jpg


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.vivaspain.es/mt/mt-tb.cgi/382

コメント(2)

本当にそう思います!

生き生きとしたワインを作るには、それぞれの区画ごとの適切な造りを見極めて、
その結果として使う樽の種類や熟成期間が決定されるべきなのに、
消費者そして流通サイドがレセルバ・グランレセルバといったブランドを
求めるがために生産者がベストな造りを選択できないのは問題ですよね。

しかしたかだか200年前に90品種も存在してたとは・・・知りませんでした。

shun さん、こんにちは!
ほんとにその通りで、リオハは「リオハ」というブランドに力を入れたが
ために、樽熟期間の長さでクオリティが判断されるというような形が
形成されてしまい、そのイメージを打開するために「alta expresión」と
それぞれの区画を大事にし、フレンチオークで繊細に熟成させるいわゆる
モダンなスタイルが造られはじめた、まではいいのですが、それによって
なんだか クラシック = ダメ、モダン = 良い というイメージができて
しまったような気がします。それも違うんですよね!!
生産者です、生産者!

コメントする