本当に良いものを。ペネデス発こだわりワイン、アレマイン・イ・コリオ

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passot.jpgずっとずっと気になってはいたんだけど、なぜか飲む機会がなかったこの造り手のワイン。

 

このラベルたち

ソット・レフリエク、パス・クルテイ

色んなところで評判を見聞きし、造り手の夫妻、ローランやイレーネのことも色んな機会に

顔を合わせるなど、その存在はかなり前から知っていたけど。

 

ワインも人と同じで縁だな、と思う。

 

最近やっと機会があって、出会うことができた、彼らのワインに。

 

ペネデスのワインだ。

 

でも、この産地のイメージは取っ払うべきクオリティのワインであること、飲んですぐ気付く。

 

ここ10年で、現地回帰、品質重視で小中規模の生産者が良いワイン造りに力を入れ始め、

ペネデスは進化しているものの、フレシネ、トーレスなどの超大規模生産者がひしめく

この産地ではどうしてもそうした大量生産の流れが大きくあることも否めない。

 

そんな中、

 

イレーネの家は代々ペネデスでブドウ栽培、ワイン造りをしてきた。

おじいちゃんの代からブドウ栽培だけでなくワイン造りを始めて、小さい頃からブドウや

ワイン造りに触れていたイレーネ。おじいちゃんは、手作りでブドウを大事にしたワイン

造りをしていて、同じ思いでワイン造りをしたい、その気持ちが強く、当時のタラゴナ大学

などでのスペインの醸造学の講義(工業化されたワインの造り方)は全く興味が湧かず、

ブルゴーニュで勉強することを決意、それから 6 年間ボーヌに住み、ジョセフ・ヴォワイヨ

などのドメーヌで経験を積み、ローランと出会い、一緒に。

ローランも醸造家そして生化学者でシノンやサンセールでも醸造経験を持つそうだ。

その後、2人でカリフォルニアで1年ワイナリーで経験をし、またブルゴーニュに戻るが、

イレーネの父親が持つ倉庫と畑を譲ろうという申し出をきっかけに故郷ペネデスでのワイン

造りを決意。

 

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この造り手にとても興味を持ったきっかけと

なったワインがこの赤。

バルセロナの大好きなグレスカというレストランで

いただいた。

 

名称 : La Lluna La Pruna 2009
品種
: Monastrell 75 %, Cariñena 20 %, Syrah 5 %
産地
: DO Penedès
生産者 : Alemany i Corrió

 

冷涼さがあって、繊細で、酸がキレイで過剰な抽出をしていない

自然な赤で、すごく好きなスタイル、今まで飲んだペネデスの赤

とは異なるスタイルで驚いた。

 

 

 

 

 

ローランとイレーネは1999年に創業、始めに造り始めたのがパス・クルテイと

ソット・レフリエクの2つの赤。

 

名称 : Pas Curtei 2009
品種 : Merlot 60 %, Cabernet Sauvignon 20 %, Cariñena 20 %
産地
: DO Penedès
生産者 : Alemany i Corrió

 

名称 : Sot Lefriec 2006
品種
: Merlot 50 %, Cabernet Sauvignon 30 %, Cariñena 20 %
産地
: DO Penedès
生産者 : Alemany i Corrió

 

メルロ主体で、平均樹齢 40 年(スペインでは最古樹 の一つ)のカベルネ・ソーヴィニヨン、

平均樹齢 60 年以上のカリニェナでフレンチオーク樽で 1 年から 2 年をかけて熟成。

 

小さな倉庫を改造して造った醸造所は、お世辞にもモダンでキレイとは言えないけど、

必要な設備は全て揃っている。

 

Sot_Lefriec_カリニェナ畑.jpgブドウのクオリティを最重視する

彼ら、

「お金をかけるなら土壌分析や栽

培の方だわ。」

とイレーネ。

 

スペインではほとんど実施されて

いない徹底的な土壌分析を実施。

メルロは 5,000 /haなど高密植

で、一つ一つの樹と対話しながら丁

寧な栽培を心掛け、リュット・レゾ

ネで必要な時のみ硫黄散布、農薬は

使用しない。

そのブドウのクオリティ、凝縮度、

健全さがすごく感じられるワイン。

地中海らしさもありつつ、冷涼さ、

軽やかさもある。

 

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野生酵母のみで醸造、SO2は少しだけ添加、赤はフィ

ルター、清澄処理はしない。

白も優しくフィルターのみ。

 

先にも書いたけど、ペネデスはトーレス、フレシネ、

コドーニュなど、カバやワインの巨大企業がひしめく

産地だ。自然と統制委員会による規制・管理も巨大企

業の影響が大きく、どうしても質より量に重きが置

れてしまう。小中規模生産者がなかなか見えないこの

ペネデスだけど、少しずつ本当に良いワインを造ろう

いう動きが出てき、この10年でペネデスは変わっ

きた。

 

その最高峰にいるのがこのアレマイン・イ・コリオ。

 

パス・クルテイとソット・レフリエクはペネデス中

部の平野部にあるミクロクリマの畑で、そして、

2003年から新しく造り始めたラ・リュナ・イ・プル

ナとプロウ・イ・ファ・ソルは海に近いガラフとい

う自然公園の入り口にある小さな山の斜面で栽培す

るチャレロ、マルバシア、モナストレル、カリニェ

ナなどのスペイン品種で造る赤と白。

 

plou.jpg

名称 : Plou I Fa Sol 2010
品種
: Xarel.lo 90 %, Malvasia de Sitges 10 %
産地
: DO Penedès
生産者 : Alemany i Corrió

 

チャレロ主体で、垂直プレスでプレス、フレンチオーク樽

(300ℓトーストほぼなし)でアルコール発酵、フレンチ

オーク新樽で 10 か月熟成。

チャレロのふくよかさ、バランス良く溶け込んだ樽、豊か

なミネラル、冷涼さ。

 

 

 

DSC02616.JPG


ガラフの赤と白はどちらも1200

本ほどの生産と超希少で、国内

外で引っ張りだこ、ほとんど

手に入らない。

 

地中海に近いこのガラフは、灌

木に覆われた山がちな自然公園

になっている。大昔海底だった

この地は貝の化石などが多く

石灰質を非常に多く含む土地で

その地形からミクロクリマが形

成され、特にチャレロ栽培には

適するエリアとされる。

 




プロウ・イ・ファ・ソルとはカタラン語で「雨のち晴れ」という意。

このエリアが雨が降ってはすぐやみ、やんだ後に降り注ぐ太陽の光に魅了されて、

そんな名前をつけたそうだ。

 

ローラン&イレーネ夫妻2.jpg

ワイン生産者は他の産地のワイ

ンを知る必要はあるだろうか。

私はあると思っている。

世界中で造られるワイン、その

現状、傾向、スタイルの変化、

他の国の産地のスタイル、醸造

技術、そういうことを知ること

で自分のワインに対する方向

性、概念、哲学がより明確にな

ると思うし、自分のワインをよ

り客観的に見ることができると

思う。

私が好きなワインの造り手を見

ると、そういうオープンな視野

を持つ人たちがほとんどだとい

うことに気付く。

 

 

そういう人たちは、往々にして謙虚で、今の状態に満足せずより良いワインを造りたいと

いう情熱に溢れている。そんな想いが伝わってくるワインはやっぱり魅力的だ。

ローランとイレーネもそんな人たち。

素朴で、自然体で、畑の作業、ワイン造りに携わることを最上の幸せと考える。

 

世界中でグローバル化の波は止まらない。

様々な分野で工業化された商品が氾濫する。

価格競争は激化の一途。

コスト削減のためにほとんどのモノが中国で生産される。

消費社会で大量にエネルギーが消費される。

日本経済が復活するためには、これから大事なのが中小企業による

反大量生産の本物志向の職人技で、自然の恵みを感じられるもの、

こだわったもの、そうした新産業の発達が鍵になってくると思うし、

そうした企業が確実に増えてきている。

 

これはワインにも言えることだと思う。

 

自然の恵みを感じられ、こだわった小規模な造り手のワインがもっともっと

大事にされるべきだし、評価されるべきだ。

どこの国のもの、というよりは、どの造り手のもの、

そこを重視していくべきだと思う。

 

もうすぐ終わろうとしている 2011 年。

今年は本当に色んなことがあった。

全てのご縁に感謝。

来年は大きな災害なきよう心から願う。

スペインから、ワインの肩張らない気軽な楽しみを共有、それによって生活がより

幸せに豊かになるよう、現地の情報をお伝えしつつ、スペインと日本の橋わたしが

できれば、と思う。

読んで下さる皆様、感謝申し上げます。

なかなかアップしておらず恐縮ですが、少しずつでもこれからも綴っていきたいと

思っているので、また来年もよろしくお願いします!

良い年末年始、そして 2012 年素晴らしい 1 年となりますよう!

 

 

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コメント(9)

醸造の事はすっとこ分かりませんが、野生酵母の場合は品質のばらつきでないのでしょうか。

こっちのタンクとあっちのタンクでは酵母の種類が変われば、風味も大幅に変わってしまう気がするのですが。樽やボトルで混合させるのでそのムラも無くなるのかなぁ。

今回もグッとくる話だね。工業化の波が農業にまで波及する現代、こういった誠実な作り手さんには頑張ってほしいし、ぜひ応援したい。アレマイン・イ・コリオを飲める祐子さん、うまやらしいのだ。

眠狂四郎さん>
野生酵母の品質のばらつきについては、選択酵母と比べたら
あるようです。ただ、その前にもっと深刻なテーマである
発酵が途中で停止してしまう、この点は野生酵母だろうが選択
酵母だろうが起こり得るのだそうで、これは酵母の発酵の仕組みに
おいてまだ解明されていない部分があるのだそうです。
野生酵母を使って醸造する造り手は結構いますが、途中で発酵が
停止し、ワインを廃棄しなくてはならなくなった、という話は
今まで聞いたことはないです。
ただ、その可能性は否定できないと思います。

井上資巳さん>
コメントありがとうございます!
読んで下さって本当にありがとうございます。
本当に、こういう造り手こそ応援したいですね!
さすが、井上さん、アレマイン・イ・コリオ、
ご存知ですね!

ものすごい興味ある!1月に行っ時飲むぞ!
それにしてもYukoちゃん、文章力伸びてるな~。スバラシイ!
これからも素敵な生産者の紹介よろしくね♥

>Ryokoちん、まじまじ?文章力伸びてる?
お世辞でも嬉しい!
確かにブログ始めた頃の記事見ると手で顔を
覆いたくなる、笑。
ありがとよ~。
共に飲もうぜよっ!

こんにちは!

私もGrescaで初めてLa Lluna La Pruna を飲みましたよ!
新しいペネデスのスタイルでとても印象に残っています。

その後辻堂のバルパンチョさんで、無理言ってPlou I Fa Sol も飲まして頂きました。

とってもすばらしいワインですよね!!

>Takuさん
こんにちは。どこかでお会いしたとしたらすみません、どちらの
Takuさんが覚えておりませんで、、ごめんなさい。。
Grescaで、そしてバルパンチョさんでも飲まれたのですね!
最高のルートです☆というかスペインでもほとんど飲めない
入手困難なワインですしね~。
大好きなワインたちです。

Yukoさん

すみません。。。
先日Foodexでお会いした者です。

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