リアス・バイシャスのグル(教祖) ヘラルド・メンデス

このエントリーをはてなブックマークに追加 Check

RiasBaixasdic.08 157

これ、何の木だと思いますか。。。
そう、ブドウ樹です。
樹齢300年を雄に越しているアルバリーニョ。。。。
2008年に初めて訪れて見た時は、驚きと感動で声が出なかった。。
こんなに古いブドウ樹を見たのは初めてで、ブドウ樹がこんなに長生きする
ことも知らなかった。
日本と同じ棚造りが主な仕立て方のガリシア、樹勢の強いアルバリーニョは仕立ての高さも
手伝ってぐんぐん枝を這わせ、おばけみたいだ(笑)。

Galicia_21052010 051

ヘラルド・メンデス氏

1973年創業以来、約40年アルバリーニョのワイン造り一筋のヘラルドさんは、
リアス・バイシャスの指導者的存在。

DOリアス・バイシャスの5つのサブゾーンのうちワイン生産の中心地ともいえるVal do Salnés。
その北東部にはカストロベ山という低い山があり、メアーニョ村はその麓の小さな谷間にある。
もともと痩せたこの土地は、野菜などの食物を栽培するには適しておらず、ブドウ栽培が唯一
可能だったそうだ。ヘラルド氏の家庭も例外でなく、お祖父さんの代からブドウを栽培していた。
1973年、ヘラルドさんは、それまで自家用ワインのみを作ってきた環境を変え、ワイナリー
「ボデガス・ヘラルド・メンデス」を設立、現行の銘柄「ド・フェレイロ」は1986年にDOリアス・
バイシャスが原産地呼称として認定された年から付けられた。

栽培面積は約10ha。ガリシアで昔から採用されてきた小農制度により、10haの畑が100以上の
区画に細分化されている。うち1.5haほどの畑に樹齢300年以上の樹が植わる。
正確な樹齢は今でこそわからないが、1790年にその畑にブドウ樹が存在していたことを証明する
公文書が残っており、その当時の樹齢を正確に知ることはできないが既に大きく成長したブドウ樹
だったはずとのことで、おそらく300年は経っている、とヘラルドさんは語る。

RiasBaixasdic.08 169
(左のワイン、どちらもガリシアの豊かな自然を表す緑色が背景色)

名称 : Do Ferreiro 2008
品種 : Albariño 100%
産地 : Do Rias Baixas
生産者 : Bodegas Gerardo Mendez

選果、除梗後、12〜24時間スキン・コンタクト。その後、12時間澱を沈め、澱抜き後、
ステンレス槽で24日間アルコール発酵。
発酵には自社畑の最も古い畑から採った自然酵母を使用。

とてもミネラリーで、爽やかで豊かな味わい、コクがあり、バランスも良い。

2009ビンテージは、スペインの有名なワインとグルメのガイドブック
Guia de Vinos Gourmets 2010」で、ベスト若飲み白に選ばれたそうだ。
パーカーポイント 90点。

Galicia_21052010 023

名称 : Do Ferreiro Cepas Vellas 2007
品種 : Albariño 100%
産地 : Do Rias Baixas
生産者 : Bodegas Gerardo Mendez

そして、、、樹齢300年以上のアルバリーニョで造るトップキュヴェ。
花崗岩質の石が多く混ざった砂質土壌。本当に良い年だけ造る。

選果、除梗後、12~24時間スキン・コンタクト。その後、12時間澱を沈め、澱抜き後、
ステンレスタンクで24日間アルコール発酵。同タンクで10ヶ月間シュル・リー。

スペインの有名なワインガイドブック「 Guía Proensa 2009 」で、この2007ビンテージがなんと
満点の100点を獲得し、大きな話題になった。
とても入手困難な白。2007ビンテージは完売だそうだ。

樽熟じゃないのに火打ち石などのスモーキーな香りが感じられるのがとても不思議で。
果実、湿った森に咲く花の香りも。イキイキとした酸が感じられ、丸く、調和が取れている。
とてもとても深い。。

アルバリーニョ白は業界の人を含めて1年以内に飲むべきワインという認識がなぜか広がっている。
DOリアス・バイシャスで造られるワインが約4000万リットルで、うち、大規模生産者4,5社がその
40%以上を占めるという。そうした大規模生産者の影響や他産地のワイナリーが投資し、リアス・
バイシャスでワイン造りを始めるケースも多く、それをビジネスとして考えている造り手は早く
売りたいがためにそういった認識が定着してしまったようだ。
でも実際はそうではなく、アルバリーニョの長熟性を力説するヘラルドさん。
現にトップキュヴェ「セパス・ベジャス」は、収穫して1年後にリリースする。

Galicia_21052010 046
貴重な貴重な1991ビンテージ。

実際、2001ビンテージ、そして1991ビンテージ(!)の「ド・フェレイロ」なども試飲させて
くださり、その長熟のポテンシャルには驚いた。樽熟なし、、でである。

リアス・バイシャスの土壌・気候でできるアルバリーニョは酸の高さだけでなく、うちリンゴ酸が
高いことにあるのだそうだ。そのお陰で酸が長い間落ちずに素晴らしい熟成をする。内陸に入って
標高の高い場所では爽やかさが失われてしまう、アルバリーニョは大西洋沿岸のリアス・バイ
シャスが最も適したテロワールなのだ、と。

3代に渡って培われた知識、近代技術、伝統への深い尊重、ガリシアの自然を愛する心、これら
全てがこのワイナリーには生きづいている。一本一本の古樹は、その成長の仕方が異なり、
地中から伸びる幹はいく様にもねじれていく。それぞれの樹の状態を見ながら、樹勢と収量の
バランスを検討する。

RiasBaixasdic.08 158

「私は畑の人間ですから。暇さえあれば畑に出て、ブドウ樹をチェックしています。
一本一本の特徴が違う樹たち。その一本一本と対話しています。
鶏と戯れるのも楽しみの一つですよ。」

冬には、自家飼育(とうもろこしのみを食べて育った)の鶏が畑に放される。
化学肥料・農薬は一切使わない完全有機栽培。

「ブドウの成熟が適切であれば、樽は必要ない。」

特別な醸造は何もしていない。ブドウ栽培に力を注いで良いブドウを得ることができれば、
自然と良いワインが出来上がる。

Galicia_21052010 022
ガリシアの素晴らしい牡蠣と共にいただく。

最高のマリアージュとは。
「ワインが口の中を洗ってくれて、ワインの味わい・香りが鼻に抜けていく。
しかし喉の奥には食べ物の味がちゃんと残っている。」
とヘラルドさん。
寄り添う優しい存在、ヘラルドさんの人柄がにじみでている。

Galicia_21052010 033
開花直前の5月末、300歳を超えた樹がこんなに元気に葉を繁らせ、そして秋には
素晴らしい実をつける。
お祖父さん、お父さんと大事にしてきた財産をしっかり受け継いで守り抜く。
ヘラルドさんの強い意志、情熱があってこそのものなのだ。

Galicia_21052010 040
娘さんエンカルナ、とその娘エバちゃん。
ヘラルドさんも孫の前では目尻タレタレで普通のお爺ちゃんの顔になる(笑)。

Galicia_21052010 029
夏ですね!

感謝。


【追記】
ワイン専門誌「ヴィノテーク」2010年9月号にてソムリエ、ワインタレント、料理評論家である
田崎真也氏のテイスティングコメントが載っているのでご紹介。

「Do Ferreiro 2008
色調はグリーンを残した明るいイエロー。香りは華やかで、黄色いぎんごのコンポートや
コンフィ、白い花や蜜蝋、ほのかに白いスパイスやミネラル香などが調和。
味わいはまろやかで膨らみのある果実味から、広がりはバランスがよく、ミネラル感が
持続する。 マリアージュ : 真鯛などの塩釜焼きなど。」

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.vivaspain.es/mt/mt-tb.cgi/317

コメント(2)

TITLE:
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
牡蠣はブロンですか。一度食べてみたいものです。真牡蠣しか食べた事が無いので・・・。ついでに、生はまったく食べられないのです、私(刺身も駄目)。魚介は白ワインはものによってはやたら生臭さを強調する事がありますが、これは結構あう感じなのですね。

TITLE:
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
>眠狂四郎さん、実は牡蠣はナマですと私もたくさん食べれません。
少し苦手なのですよね。やたら生臭さを強調する白ワイン、よくわかります。
そういう白ありますよね。このワイン、そして一般的にアルバリーニョのワインは、
こうした魚介とぴったり合います。ド・フェレイロはナマから様々な魚介、
セパス・ベジャスは炙った系の魚介とも合うと思います。
やっぱり魚介の土地、白も魚介にぴったり合います。

コメントする