CELLER DEL ROURE 地ブドウと外来品種の絶妙なバランス、バレンシアのクオリティワイン

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このエチケット、恐らく、今まで飲んだ・目にした全てのワインの中で、
一番忘れられないものだと思う。
出会ったのは3年前、お店の人に薦めてもらったのだけど、穴が開いて、ブドウの形を
成しているだけのシンプルなデザインなのだけど、その簡単そうで思いつかない斬新さと、
インパクトの強さに、ちょー感動したのを覚えている。
ワインが並ぶ棚の中でひときわ目を引くデザイン。
デザインにもこだわるワイナリーは、良いワインを造る、これ、絶対あると思う。

このステキなエチケットのワインを造るのは、バレンシアのセイェル・デル・ロウラ。

バレンシアでは、2000年以上前からワイン用ブドウ栽培が行われ、19世紀には、
アグワルディエンテ(蒸留酒)用、ブレンド用として大量にワインが流通していたという。
DO バレンシア、スペイン最大の輸出量を誇るのだそうだが、近年では、「質より量」から
「量より質」の時代へと脱皮、モナストレル、ガルナッチャ種を主とした高
品質の赤ワインが多く造られるようになった。

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セイェル・デル・ロウラは、バレンシア南西部、地中海から50kmほど内陸に入ったところに
あるモイシェン (Moixent) 村に位置するワイナリー。
1996年創業、家族経営のワイナリーで、オーナーあり、農学技師であるパブロ・カラタユ氏が
2種の赤を造る。標高550mほどの丘陵地に60haの自社畑を所有、粘土質・砂質土壌で、
ミクロクリマに恵まれた最適な環境でブドウを栽培、2000年のファースト・ビンテージから
2004年まで、プリオラート・モンサンでDidoなど、素晴らしいワインを造る醸造家サラ・ペレス氏を
コンサルタントに迎え、ワイン造ったそうだ。
外来品種も栽培するが、地ブドウ、モナストレル種、そしてほとんど絶滅しかけていた地ブドウ、
マンドー種も栽培、伝統を大切に、その土地ならではの個性あるワイン造りをしている。

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名称 : Les Alcusses 2006
品種 : Monastrell 50%, Syrah 15%, Merlot 15%, Cabernet Sauvignon 10%, Tempranillo 10%
産地 : DO Valencia
生産者 : Celler del Roure

ステンレス槽で12日間マセラシオン、圧搾、MLF、フレンチオーク樽(2〜3年目)で3か月熟成
キイチゴ、チェリーなど熟した果実香が豊かで、それに樽が軽やかに寄り添う、
バランスが良くて、元気をもらえる赤だ。

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名称 : Maduresa 2006
品種 : Mandó 25%, Cabernet Sauvignon 25%, Monastrell 15%,
Syrah 15%, Merlot 10%, Petit Verdot 10%
産地 : DO Valencia
生産者 : Celler del Roure

ステンレス槽で20日間マセラシオン、圧搾、MLF、フレンチオーク樽
(2〜3年目、225・500ℓ)で10〜12ヶ月熟成

熟した赤果実、樽、しっかりした酸、凝縮感があり、バランスがよく、上品で、
爽やかさも伴い、すごく飲み心地の良い赤。
ペニン・ガイド09では93点と、DO バレンシアで最高の評価を得ている。

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ピジャージュ。パブロ・カラタユ氏。

そしてこの「マドゥレサ」に使われている地ブドウ、マンドーとは。
この品種に関する情報は非常に少ない。
このワイナリーがスペインで最もこの品種について研究しているようだ。

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マンドー種。
(ワイナリー提供資料から)

20世紀前半には、ワイナリーのあるモイシェン地区を中心に、バレンシア、そして
アリカンテで、かなりの量が栽培されていたらしい。今でもこれらの地域の主要品種で
あるモナストレル種と共に、マンドー種も主要品種だったようだ。
良質のワインになる品種で愛されていたが、バルク売り用の安価ワインを大量に造る
共同組合が増えた時代には、栽培・醸造に難があることで使用されなくなり、栽培面積が
激減したという。
その品種を研究・復活させるべく、セイェル・デル・ロウラは、バレンシア工科大学と共に
研究を続けているのだ。
エノロゴのフアンさんは、マンドー種は、ガルナッチャ・ティンタとモナストレルの中間位の
特徴の品種だという。果実は小さく、ウドンコ病や干ばつに弱く、できるワインは、
香りの強い、濃い色調で、上品さ、深みがあり、タンニンも丸く滑らか、長熟に向く。
そして、60〜80年の樹齢というマンドー種は、その土地の特徴やミネラルをキレイに表現
してくれる大事な品種と見なしている。

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このマンドー種の仕立て方が大変興味深い。
「竪琴の形状をした仕立て方」と呼んでいるのだそうだ。
最初に植樹した際には、垣根式で、列ごとの間隔が開きすぎて、樹勢が強くなりすぎたため、
その樹勢のバランスを取るため、一本の樹からあたかも2本になっているかのように、
樹を這わせたのだそうだ。そうすることで、樹同士が競争して、より深く根を張り、房も
実も小さく、凝縮度の高いブドウができるのだそうだ。
また、この仕立て方で、葉がより多いため、光合成が多くされ、また、暑い地域なので、
直射日光が果皮に当たって、焼けてしまうことを避け、適度な湿度も保つことができる。
伝統的な株仕立てと似た状態になるとのこと。

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更に、この土地のワイン造りの長い歴史を感じさせる「ボデガ・フォンダ (bodega fonda)」。
ワイナリー敷地内で発掘された、おそらく15世紀頃に造られたとされる、地下セラー。
昔は、ブドウを足で踏んでピジャージュし、発酵してできたワインを粘土でできた壺で
貯蔵していた。その壺がいくつも並ぶ。
20世紀中盤頃まで使われていたらしいこの伝統的なセラーも、復活させるべく、ワインの
一部を今年から、壺で熟成させて、どんな仕上がりになるか研究するのだそうだ。

ブドウ栽培、ワイン造りに対して真剣な姿勢で取り組むワイナリー。
外来品種などは樹齢15年とまだ若いものが多いが、造られるワインは既に世界的に
高評価を得ており、サン・パウ、カン・ロカなど、ミシュラン星つきレストランでも供され、
今後の成長もとても楽しみなワイナリーだ。

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コメント(4)

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どうも、初コメです。

いや〜、いい文章書きますね。思わず飲んでみたくなってしまいます(って飲んだことあるんですけど(笑))。

先日ナルボンヌで安仏ワインを買ってきました。日程調整して、ワイン会しませんか??

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>Sr.pepeさん、わぁ、コメントありがとうございます!いや、ほんと拙くて、恥ずかしいですが、、「思わず飲んでみたくなる」文章を本当に書けているのであ・れ・ば、、すんごく嬉しいっす!
安仏ワイン、飲みたいっすー!
ワイン会、是非やりましょーー!

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凄い葡萄ですね。小粒で、しっかりとした張りがあって。

いつも思うのですが、スペインワインはイタリア以上に謎が多いです。
葡萄の品種も知らないやつばかり。最近は注目され情報も増えつつありますが、フランスやイタリアに比べると情報量が少ないのが困ったところ。
このブログで結構詳しく書いてくれているのが非常にありがたいです。

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>キケロさん。コメント、ありがとうございます。ほんとに、スペインワインについては、日本でまだまだ情報が不足していると感じます。イタリアはスペイン以上に地ブドウ品種多いですが、情報がありますしね。スペインワインについて、情報を得る助けに少しでもなれていればすごく嬉しく思います!フランス、イタリア、キケロさんにお教えいただきたいです!

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