ソモンターノを訪れて その4 〜アルケサル、宿〜

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10月20日

エノツーリズム(ワインツーリズム)の魅力は、ワイナリー見学だけでもいいけど、やっぱり
素晴らしい食や自然、歴史の足跡があってこそ、その魅力は倍増する。
いくらワインが好きでワイナリーいくつ訪れてもいい、という人でも、やっぱりそれだけでは
ちょっと物足りないと思うのだ。
ワインを知るには、ワインの元であるブドウがどんな環境で育つのか、どんな自然が周りに
あるのか、どんな人々が住んでいるのか、どんな文化が息づいているのか、そういうのを
肌で感じること、それが実はすごく貴重で、ワインを知る本質だったりする。

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アラゴンの古都アルケサル(Alquezar)は、バルバストロを訪れたら、必ず足を延ばしたい所。
バルバストロからベロ(Vero)河沿いに20kmほど北上すると、ベロ河の峡谷が深まっていき、
切り立った崖が現れ始め、その崖のひとつにアルケサルは佇んでいる。
その昔、ムーア人が作ったこの村、村名はアラブ語の要塞という意味の「Al-Qsar」に由来
しているという。アルケサルは、その中世の町並み、ロマネスクの素晴らしい文化遺産など、
文化的魅力に加え、峡谷トレッキングやラフティングなど、素晴らしい自然の中でアウトドア
も楽しむことができる。

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中世の趣をそこここに残すアルケサル。建物と建物の間が回廊でつながっているのが見え
る。中世の時代には、よく造られていたそうで、アルケサルでは、村のはじからはじまで、
道に下りずに渡ることができた、といわれている。

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夜空に浮かぶアルケサル。

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アルケサルからの峡谷トレッキングにて。洞窟。

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自然は、泣きたくなるほど美しい。

こういう素晴らしい自然の中でのぴったりな宿といえば、casa rural(カサ・ルラル)。
古い一軒家を宿泊施設に改造したもので、自然の中や風光明媚な村などによくあるタイプの
宿。今回、偶然見つけた、アルケサルに近いブエラ(Buera)という小さな村にある宿、

La Posada de Lalola
Calle de la Fuente 14, Buera 22146 (Huesca)
Tel : (+34) 974 318 437

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手入れの行き届いた、すごく暖かい雰囲気の室内。
奥様の心遣いがあちらこちらに感じられるインテリア。

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暖炉があって寒空の中を帰ってきて冷たくなったからだを暖めてくれ、木がパチパチ燃える
音が聞こえ、ゆったりとした時間が流れているリビング。

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こじんまりとした庭。鳥のさえずり以外は何も聞こえない、朝の輝く太陽の下、凛とした空気
の中とった朝食は、これ以上の贅沢はないといえるほどだった。

宿の主人、ミゲル・アンヘルさんとマルさんの夫婦が営む。
旦那が教えてくれた、ミゲル・アンヘルさんは、バルセロナ出身で、もとサッカーのエスパ
ニョールチームのバリバリの一軍選手だったのだそうだ。
体を壊して、遠戚がこの地方にいるとかで、こちらに移り住んできたのだそうだ。
ミゲル・アンヘルさんもマルさんも、とても気さくな人柄で、細やかな心遣いが随所に感じら
れて大好きになった。

そしてまた素晴らしいのがレストラン。
最終日にお昼をいただいた。
メニューは決まっていて、選ぶことはできない。何種類か用意していて、お客さんを見て、
勘でメニューを選ぶのだそうだ。すごい!

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こじんまりとした空間で、くつろぎの時間。壁には、有名人であるミゲル・アンヘルさんが
様々な有名人と共に撮った思い出の写真たちが所狭しと飾られている。

お料理は、新鮮で良い食材を使っていて、シンプルな一品一品がすごく美味しかった!
バルバストロ特産で秋が旬のトマトで作ったトマトピューレ、信じられないほどの甘みとまろや
かさに驚いた!

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メインのRabo de ternera(オックステールシチュー)は、今まで食べたどの
ラボ・デ・テルネラよりも美味しかった。

そしてここでも、ソモンターノの固有品種のワインをミゲル・アンヘルさんにお薦めしてもらう。

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名称 :  Pirineos Moristel 2005
品種 : Moristel 100%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodega Pirineos, S.A.

ソモンターノとカリニェナのみで認定されている品種。
熟果実で爽やかな酸で心地よい味わい。店頭価格は4,50ユーロという安さ。コスパに驚いた!
ボデガ・ピリネオス、もともと好印象のワイナリーなだけに、固有品種をも使って素晴らしい
ワインを造っているのを知って嬉しかった。
ミゲル・アンヘルさんもマルさんも、一つ一つのテーブルに常に注意を払っていて、サービスも
素晴らしかった。
また来るなら、必ず訪れるだろう、この宿には。

昼は22度ほど、夜は5度ほど、初日の夜は月のない真っ暗な夜だった。
ここはもう冬が近づいている。ほとんど明かりのない村で、空を見上げれば満点の星が輝く、
ミルキーウェイまで見える。こんなに星ってあるんだって改めて気づく。自然に抱かれて、
活き活きと、そしてゆったりと生活している人達との出会い。
鳥のさえずり、ベロ河の水の流れるかすかな音、ゆったりした生活の音、リズムが存在する。
いつもの生活からひと時離れて全く違う空間に身を置く。満たされるエネルギー。

だからスペインは好きだ。

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