ソモンターノを訪れて その3 〜 Bodegas Lalanne 〜

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10月26日

他地域同様、ソモンターノでも、1984年DOに認定される以前からずっとワインは造られていた。
特にスペイン品種のテンプラニーヨ種やガルナッチャ種で、自家用のためにワインを造っていた
という。それが今の、外来品種をも含めたエレガントでクオリティ高いワインを生産する産地に
まで押し上げた貢献者のひとりにフランスのLalanne(ラランヌ)家がいた。

1842年にボルドーでワイナリーを設立したLalanne(ラランヌ)家。19世紀末にフランスをフィロキ
セラが襲った際に、ソモンターノに移り住み、1894年にワイナリーを設立。アメリカ台木と接木を
して、カベルネ、メルローなどのフランスの品種をソモンターノで初めて植樹。
こうして、ソモンターノに外来品種がやって来たのだ。
以来、ラランヌ家は、創業時と同じ醸造法を大事に、クオリティ高いボルドースタイルのワインを
100年余り造り続けている。

現在のオーナーの娘さん 若い3姉妹、レオノール(Leonor)、ラウラ(Laura)、ルクエシア
( Lucrecia)の一人、レオノールさんが、ワイナリーを案内してくれた。

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100%自社畑。35ha。収量は4500kg/haという低さ。60%は輸出用だそうだ。

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コンクリート発酵槽(内側はガラス加工)

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フレンチオークだけでなく、爽やかさも出すためにアメリカオーク樽も一部使っている。

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熟成室。創業当時から使ってきた醸造具が展示されている。
自社で今まで使ってきたものだけに、普通の博物館よりも意味が深いんだって、レオノールさん。

このワイナリーには、披露宴などのパーティを催すことができるステキなスペースもあって、
訪れた日はちょうど披露宴のある日で、本当はワイナリー見学はできないところを無理して
やってくださった!レオノールの弾丸トークはすごかったけど(笑)。

一番印象に残ったのは、クリアンサだった。

名称 : Lalanne Classic 2005
品種 : Cabernet Sauvignon 60%, Merlot 40%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Lalanne

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左から、Lalanne Classic 2005, Lalanne Reserva 2000, Merlot 2000

爽やかな飲み口、すごくバランスが取れている。ものすごい豊かな味わい。
本当にボルドーワインのような繊細さ、パワフルさがあって。
家で再度飲んだ時も、本当に美味しいと感じた。
7,10ユーロ。ワイナリー価格なので、店頭価格より少し安いと思うけど、この味わい、クオリティ
でこの値段。。。同じレベルをボルドーで飲むとなると、少なくとも2倍はするのではないかと思う。
ソモンターノのワインは、スペインの多くの地域と比べてもコストパフォーマンスの高いワインが
多い。

娘さん3人の名前がワイン名に付けられている。
レオノールはメルロー クリアンサに、ラウラは白・ロゼの微発泡に、ルクレシアはカバに。
すごいモチベーションになるなぁ。自分の名前がワインに付けられるなんて。

今回ソモンターノを訪れて初めてわかった。
Bodegas Lalanneや、また、同時期に設立されたBodegas Fabregas(ボデガス・ファブレガス)等、
19世紀末からこの土地で外来品種を使ってワイン造りを続けてきた人達のおかげで、DOに認
定された時には、既に外来品種はこの土地に適合しており、今のEnate, Viñas del Veroの
ようなモダン・ワイナリーが外来品種を使って素晴らしいワインを造ることができるのだ。
ソモンターノには、こうした小規模で伝統的な醸造法を守るワイナリーが造るワインと、エナーテ
のような新しく近代技術を導入したモダンなワイナリーが造るワインの2種類が存在する。
ソモンターノが世界的に注目されるようになったのは、近年の新しいワイナリーの台頭による
ところが大きいけど、その背景には、小規模で昔からこの土地でワイン造りを貫いてきたワイ
ナリーの存在があったことが不可欠で、その二者間で切磋琢磨しているのが今のソモンター
ノなんだ。

ボルドーのワイン造りの伝統をそのまま継承し、ボルドースタイルのワインを造り続ける。
そんなフランスの血筋がここ、ソモンターノでも息づき、どんどん成長している。
伝統的なソモンターノのワイナリーというと、宿の人も、レストランの人も、みんなここを紹介し
てくれた。

114年という歴史の重みを感じるワイナリーだった。

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