ソモンターノを訪れて その1 〜 Bodegas Enate 〜

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10月25日  

10月は結婚記念、誕生日などのイベントもあり、そして秋、最高にいい季節ということで、
毎年いつもどこかへ旦那と旅に出る。そういえば、2005年、新婚旅行も1週間、ピレネー山脈
中央部、今回と近い場所で過ごした。1000数mの標高で、木々が紅葉して素晴らしかったの
をはっきり覚えている。
ウエスカ県、北部のピレネー山脈中央部は、料理やワインだけでなく、山や峡谷、川などの
大自然、中世の村々など魅力がたくさんあって、何度訪れても大好きな地方だ。

今回、この地域は3度目。前回までは、ワイナリーを訪問したり、ワインにフォーカスしていな
かったため、そういう意味では初めてのソモンターノ。

「山麓」という意のソモンターノ、ピレネー山脈の手前、Sierra de Guara(グアラ山脈)に南部に
ある。平均海抜650m、冬にはまとまった降雨量があり、夏は暑く、非常に乾燥した地域。
バルバストロ市が中心で、1984年にDOとして認定されてから各ワイナリーの意識の高まりが
見られ、近代的醸造所の建設、ブドウ畑の整備と併せて、国際市場を強く意識した新しい
スタイルのワインを造っている。カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラー、シャルドネなどの
外来種が認められていて、私が今まで飲んだものも、上品でキレイにまとまって、世界的に
受け入れられやすいワインだ、という印象だった。
今回は、そうした有名なワイナリーのみだけでなく、少量生産で、この土地の固有品種にも
スポットを当てているワイナリーも訪れたい、今まで飲んだことのないようなソモンターノに
出会いたい、そういう思いがあった。

まずは、ソモンターノ近代化の立役者、 Bodegas Enate

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人口300人ほどの小さな村 Salas Bajasに位置。
アストゥリアスのNozoleda家が1989年に創立。DO認定後、エナーテは7番目のワイナリー。
当時、ブドウ畑がなかった土地に植樹し、ブドウ畑を造った。その創立当時の畑の開墾、栽培
方法などを詳しく説明するビデオを見せてもらったけど、これが圧巻。センサーメカニズムを使い、
機械がブドウ樹を触らないよう除草作業を行ったり、気候や湿度をコントロールするGPSシス
テムと衛星画像を使用するなど、ブドウ畑の管理にテクノロジーを最大限活用している。
一方で、除草剤・化学肥料などの不使用、100%手摘みでの収穫と、有機栽培にも重点を置く。

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自社畑、約500ha。メインは外来品種、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラー、シャルドネ、
国内品種はテンプラニーヨのみ。秋も深まって、収穫終了直後、品種によっては葉が紅葉して、
その葉の色の違いではっきり品種の違いがわかる。

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ブドウ畑にバラの木(rosal)が植わっていた。バラはブドウと同じ植物系で、バラが病気や
害を先に患って自然の指標として知らせてくれるのだそうだ。土壌は砂混じりの粘土質。
ピレネー山脈中央部の麓、標高はそこまで高くないが、ミクロクリマに恵まれた気候。

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醸造セラー。暗くて、地下にあって、湿っていて、という普通のイメージとは無縁のデザイン。
フレンチオーク80%、アメリカオーク20%。

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瓶熟成するスペースは、音を吸収し、振動を極力抑える仕組みを作っている。
全ては良いワイン造りのために。年間生産量 400万本。

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エナーテのエノロゴ、Jesus Artajonaさん。今回の訪問ではお会いしなかったけど、実は、
旦那が10年近く前に何度か会って話したことがある方だと!昔住んでいたピソのルームメイト
を通して知り合ったのだそうだ。とっくにコンタクトは途絶えているそうで。。
でも、世界って狭いもんだなぁ。

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説明してくれたイネスさん(と、旦那)。余すところなく、すごく上手に説明してくださって、
接していてとても気持ちのいい方だった。

Enateの特徴はエチケットにスペイン画家の絵を採用していること。
スペインで画家の絵を使い始めた初めてのワイナリーなのだそう。斬新です。
本当に目を引くし、一度見たら忘れない、いいエチケットだ。

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私のお気に入りのエチケットは、シャルドネ白樽熟に使われているAntonio Sauraの絵。
ブドウに顔がついているシンプルな、そして愛らしくて快活な絵がすごく印象に残って。
目の不自由な人のために点字も印字するエナーテ。意気込み、感じられる。

名称 : Enate Chardonnay Fermentado en barrica 2006
品種 : Chardonnay 100%
産地 : DO Somontano
生産者 : Bodegas Enate

味わいもすごく好き。収量の低い(4.500kg/ha)ブドウ畑のブドウを使用。
フレンチオーク新樽で発酵、MLF、樽熟は6〜8ヶ月。
バトナージュで澱の独特な味わい、滑らかさを引き出している。
果実の味わいも消すことなく、いいバランスが取れている。

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「Uno'2003」 295ユーロ!
エナーテのPlanacorという「内陸地中海性気候」というミクロクリマを享受する畑からの
シャルドネ。フレンチオークで発酵、MLF、樽熟を20ヶ月!
15度というアルコール度の高さ、生産量80本、これはまさにスペシャル!

ワインツーリズムが普及してきたのは、ごく最近のことだ。でも、エナーテは17年前創立だと
いうのに、既にワインツーリズムを考慮した設計になっていて、働く人たちの邪魔にならない
ワイナリーツアーができる仕組みになっていた。
  
Enateのワインはとんでもなく高い評価を受け、高級モダン・スパニッシュのアイコンとなって
いるブランド。エル・ブジ、アケラーレ、アルサックなどのミシュラン星付きレストランがこぞ
ってEnateのワインを置く。
デザイン、コンセプト、クオリティ、マーケティング、全てがうまい具合に調和しているのだろ
うな、と見学して思った。改めて、いいワイナリーだって実感できた。

↓ 日本では、ENOTECAさんがエナーテのワイン、輸入されています。

エナーテ

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